数年前から働き方改革の一環として推奨されてきたテレワークですが、導入に踏み切れない企業も多く、一般化されるのは難しいとされていました。
しかし、働き方改革や多様な価値観の浸透によって、一気に広がりを見せており、今後はテレワークで働くことが主流になるのではと予想されています。
今回はテレワークの基礎知識や、テレワークに欠かせないリモートデスクトップのメリット・デメリットなどについて解説します。
目次
テレワークとは
テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用した、時間や場所にとらわれない多様な働き方のことを意味します。
離れたところを意味する「tele」と、働くことを意味する「work」を組み合わせた造語で、以下の3つの働き方の総称として使用されています。
- 在宅勤務
- モバイルワーク
- サテライトオフィス

在宅勤務
在宅勤務とは、自宅で仕事を行う働き方です。
自宅のインターネットや電話、FAXなどを利用して会社と連絡を取り合い、パソコンやモバイル端末でデータのやりとりを行います。
モバイルワーク
モバイルワークとは、取引先での仕事や移動中に、パソコンやタブレットなどのテレワーク端末を利用する働き方です。
会社との連絡は、インターネットや電話を通じて行います。
サテライトオフィス
サテライトオフィスとは、社外のオフィススペースでテレワーク端末を利用する働き方です。
自社で専用の社内LANを整備しているスポットオフィスやサテライト専門のオフィス、コワーキングスペースやレンタルオフィスなどを活用して仕事を行います。
会社との連絡は、サテライトオフィスに設置されているインターネットや電話、FAXなどを利用します

テレワークの方式
テレワークは大きく分類すると、以下の4つの方式に分けられます。

リモートデスクトップ方式
リモートデスクトップ方式とは、オフィスのパソコンをほかの場所から遠隔で操作する方法です。
※詳細については、次項の「リモートデスクトップとは」で説明します。
仮想デスクトップ方式
仮想デスクトップ式とは、会社のサーバー上で提供される「VDI※」に、遠隔でパソコンなどのテレワーク端末からログインし、操作する方法です。
VDIはシステム管理者が環境を一括管理するため、均質的なセキュリティ対策を実施できるのが特長です。
遠隔で操作した作業内容はサーバー側に保存され、テレワークで利用した端末側にはデータが残りません。
「Virtual Desktop Infrastructure」の頭文字を略した言葉で、直訳すると「仮想デスクトップ基板」を意味します。
ユーザー側のデスクトップ環境を仮想化し、サーバー上の仮想化基盤で稼働させる仕組みで、ユーザーは自分のパソコンに仮想デスクトップ画面を表示させて操作を行えます。
サーバー側でユーザーに必要なアプリやOSをインストールして集中管理しており、ユーザーがパソコンに必要なOSやアプリをインストールしなくても良いため、管理者は更新や設定などのメンテナンスが容易に行えます。
クラウド型アプリ方式
クラウド型アプリ方式とは、クラウドサーバー上で提供されるアプリにアクセスし、作業を行う方法です。
インターネット環境さえ整っていれば、会社・自宅のパソコン問わず、どこからでもアクセスすることが可能です。
アプリで作成したデータはクラウド上、または自分のパソコンのいずれかに保存することができるため、管理ルールが求められます
オフィス端末の持ち帰り方式
オフィス端末の持ち帰り方式は、会社で利用しているパソコンなどの端末を持ち帰り、社外で作業を行う方法です。
インターネットに接続する必要性がないため、安定して操作を行うことが可能です。
同じ端末で操作ができるだけでなく、OSやアプリなどの環境を整える必要もありません。
テレワークを行う度に端末を毎回持ち帰る必要があるため、自宅でテレワークへと急遽スケジュールを変更する場合に対応することができません。
リモートデスクトップとは
テレワークを行う場所からパソコンやモバイル端末などを利用して、会社に設置されたパソコンなどの端末のデスクトップ環境を遠隔操作できる仕組みのことを総称し、リモートデスクトップと呼びます。
コンピュータ同士がネットワークで接続されていれば、離れた場所から接続先のコンピュータを操作できます
自分のパソコンにリモート先のデスクトップ画面を表示できるため、会社で行っていた作業を引き続き自宅で行えます。
作業したデータはすべてリモート先の会社のパソコンに保存され、自宅で利用していたパソコンにはデータが残りません。
そのため、私用の端末を利用して作業を行うことも可能です。
自宅でリモートデスクトップを利用する場合は、操作性を低下させないために十分な速度が確保できるインターネット回線が求められます。
▼リモートデスクトップ方式
リモートデスクトップのメリット・デメリット
何かとメリットが多いように思えるリモートデスクトップですが、当然デメリットもあります。
リモートデスクトップのメリット・デメリットをそれぞれ理解したうえで、利用するようにしましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
・社内と同じ環境で作業できる ・ユーザー側のパソコンスペックを問わない ・情報漏洩を防げる ・導入コストが低い ・Windows10に標準装備されている | ・初期費用がかかる ・共通ルールが必要になる ・通信環境で操作性が左右される ・サーバー側のパソコンの電源を切れない ・パソコンを紛失した際のリスクが高い |
リモートデスクトップのメリット

社内と同じ環境で作業できる
リモートデスクトップは遠隔で社内のデスクトップ画面を操作でき、場所を選ばずどこからでも作業することが可能です。
社内のパソコンに合わせて環境を新たに構築する必要もなく、同じデスクトップ画面を表示できるため、外出先から普段と変わらない環境で手軽に業務を行えます。
ユーザー側のパソコンスペックを問わない
リモートデスクトップはリモート先のパソコンの性能に依存するため、手元のパソコンのスペックが低くても、リモート先のパソコンのスペックが高ければ、負荷の高いアプリでもスムーズに使用できます。
デスクトップパソコンに比べると性能が低いとされるノートパソコンであっても、外出先で効率よく作業を行うことが可能です。
情報漏洩を防げる
リモートデスクトップはデスクトップ画面を共有しているだけなので、ユーザー側のパソコンで操作を行ってもユーザーPCにデータが保存されることはありません。
USBなどの外部記憶媒体にデータを保存する必要がないため、どこかで落としたりなどする心配もなく、情報が外部に漏れることを防げます。
導入コストが低い
社内にサーバーがあれば新たに導入する必要がなく、低コストでリモートデスクトップを利用できます。
サーバーにインストールしているアプリを社外で利用できるため、ユーザー側のパソコンに新たにアプリを導入する必要もありません。
また、出社にかかる交通費や時間を抑えることができるため、コスト削減にもつながります。
Windows10に標準装備されている
Windows10はリモートデスクトップ機能が標準で搭載されており、設定さえ行えばすぐにリモートデスクトップを利用できます。
ただし、一般的なWindows10のエディションの「Home」にはホスト機能が備わっていないため、リモートデスクトップを利用できません。
Windows10をホスト側として設定する場合、「Pro」または「Enterprise」を使用する必要があります。
リモートデスクトップのデメリット

初期費用がかかる
リモートデスクトップを利用するにあたり、自宅のインターネット接続やパソコンなど、環境を整えるための初期費用が必要です。
パソコンを利用できない人に向けて、研修を行うなどの費用も必要になります。
通信環境で操作性が左右される
外出先で使用する回線の通信速度により、操作性が低下する恐れがあります。
リモートデスクトップでは大容量のデータを転送することはほとんどありませんが、インターネットの速度が極端に遅いとスムーズに画面表示が行われず、操作に支障をきたす可能性もあります。
サーバー側のパソコンの電源を切れない
リモートデスクトップは外部から遠隔で操作を行うため、ホストとなる社内のパソコンの電源が切断されていると利用することができません。
サーバーとして利用するパソコンを起動するために誰かが出社する、もしくは電源をオンにしたままにしておく必要があります。
パソコンを紛失した際のリスクが高い
リモートデスクトップはテレワーク端末にデータが残らないため、パソコンを紛失したり盗難に遭っても、情報が漏洩する心配はありません。
しかし、端末を通してリモート先にアクセスされる可能性も否定できません。
ユーザー側のパソコンにより高いセキュリティの認証方式を取り入れたり、紛失や盗難の際はアカウントを無効にしてもらうよう、すぐにシステム管理者に連絡を入れる必要があります。
テレワークやリモートデスクトップの基礎知識:まとめ

テレワークやリモートデスクトップの基礎知識についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
自宅でリモートデスクトップがうまく利用できない場合は、パソコンの設定にミスがあるか、もしくはインターネット環境に問題があることが考えられます。
何度チャレンジしてもつながらない場合は、パソコン修理業者へ相談してみましょう。
パソコン修理業者は、テレワークの設定や急なパソコントラブルにも迅速に対応してくれます。
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