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デジタル遺品サポートとは?パスワード解除や処分方法を解説!

かない@パソコン博士

故人が使用していたパソコンやスマホなどに含まれるデータやオンライン上に遺したデータを「デジタル遺品」といいますが、その遺品整理をサポートするサービスが存在することをご存じでしょうか?

今回はデジタル遺品サポートについて、以下の4点を解説します。

  • デジタル遺品とは何か
  • デジタル遺品の取り扱いとデジタル遺品にまつわるトラブル
  • デジタル遺品サポートサービスの内容
  • デジタル遺品サポートを利用する際の注意点

本記事の情報は2022年9月21日最新情報です。

デジタル遺品サポートとは

デジタル遺品サポートとは

デジタル遺品サポートとは、故人が使用していたパソコンやスマホ内に遺っているデータや資産に関する取り扱いをサポートするサービスです。

デジタル遺品は近年登場した概念としてまだ法整備などが追い付いていない部分もあり、取り扱いが難しかったりトラブルのもとになってしまったりする場合があります。

そのようなデジタル遺品の取り扱いや整理を行うサービスがデジタル遺品サポートですが、ここではまず以下の2点について解説します。

デジタル遺品サポートとは
  • デジタル遺品とは
  • デジタル遺品サポートのサービス内容

デジタル遺品とは

デジタル遺品とは個人が遺したデータや資産を指しますが、遺した場所に応じて以下の2つに分けて考えられます。

デジタル遺品とは
  • オフラインデータ … 手元にある有形のメディア内に保存されたデータ
    パソコンやスマホ、タブレット内のデータ
    HDDやSSD、USBなどの記録媒体に保存されたデータ
  • オンラインデータ … インターネット上にある無形のメディア内に保存されたデータ
    メールやクラウドストレージ、SNSやホームページ内のデータ
    電子マネーやオンライン口座、課金サービスのアカウント、スマホ決済の残高

このようにデジタル遺品はオフライン、オンラインにかかわらず、写真などのデータをはじめアカウント自体、オンライン口座の残高などデジタル機器を通して遺した多くのものが該当します

デジタル遺品サポートのサービス内容

デジタル遺品サポートの内容としては、以下のようなものがあげられます。

デジタル遺品サポートのサービス内容
  • パソコンやスマホ、タブレットのパスワード解除・処分
  • オフライン、オンラインのデータ取り出し・復旧・削除
  • SNSやホームページ、課金サービスのアカウント停止・削除
  • オンライン口座の状況確認・停止

サポートによってはこれらのほかに、遺産として引き継いだパソコンの設定変更サポートやウイルス駆除などが含まれます。

デジタル遺品の取り扱いとトラブル

デジタル遺品の取り扱いとトラブル

デジタル遺品は個人情報やお金に関わるものも多いため、取り扱いが難しくトラブルを招く可能性もあります

ここでは整理の必要があるデジタル遺品について、以下4つに分けて取り扱いや想定されるトラブルを解説します。

デジタル遺品の取り扱いとトラブル
  • パソコンやスマホ本体、内部データ
  • 有料課金サービス
  • ネット銀行口座・金融商品
  • SNSアカウント

パソコンやスマホ本体、内部データ

パソコン・スマホ・タブレットなどの情報端末本体とその内部に含まれるデータについては、相続対象となるため相続人であればアクセスやデータ閲覧をはじめ売却などの処分も問題ありません

ただし個人情報の宝庫となるため取り扱いには十分注意が必要です。
処分する際は確実に内部データを消去することはもちろん、ロック解除して中身を確認する際も相続人全員の同意を得た上で行うようにしましょう。
これらの対策を十分に行わなければ、故人のデータ流出や相続人同士でのトラブルなどに発展する可能性があります。

またクラウド内のデータなどオンライン上のデータについてはアクセスの時点で注意が必要です。
デジタル遺品については法律上も取り扱いが未だ定まっていないところがありますが、オンライン上のデータについては不用意にアクセスすると「不正アクセス禁止法」に抵触するおそれがあります。
オンラインのデジタル遺品に着手する場合は、法律の専門家やデジタル遺品サポートを提供する業者に相談するようにしましょう。

有料課金サービス

近年のオンラインサービスにはサブスクリプション(定額課金)制のサービスが多く、没後も課金が継続する可能性があります

このため没後は速やかにサービスを利用停止することが必要となりますが、先ほどもお話したようにデジタル遺品は近年登場した概念であるためサービスを提供する企業側も取り扱いについて十分に整備できていないというのが実情です。
しかしながら徐々に契約者が亡くなった際の対応も形成されつつあるため、まずはサービス提供元に確認するようにしましょう

このほかの方法として課金に利用していたクレジットカードや銀行口座を凍結することでも対処は可能ですが、利用規約違反や故人のデータを損失するリスクもあるため凍結の際は十分な注意が必要です。

ネット銀行口座・金融商品

デジタル遺品の中にはネット銀行口座や証券、FXなど金融商品なども含まれるため、遺産としても負債としても相続の対象となる可能性があります

実際に2018年にはオンライン決済大手「ペイパル」が故人に対して約3200ポンド(47万円)分の未払い催促をしたとして話題になりました。
この際はメディアを通してこの内容が報道されたことでペイパルが非難を浴びて債権が放棄されましたが、ネット銀行口座やオンライン金融商品のサービス提供元と争いになる可能性も十分に考えられます。
また金銭的な内容となるため、相続者間での問題となるケースも考えられるでしょう。

有料課金サービス同様取り扱いについては難しいところがあるため、基本的にはサービス提供元に確認するようにしましょう

SNSアカウント

多くの人が利用しているSNSアカウントですが、「追悼アカウント」の設定を行っておくことで故人が利用していたアカウントを削除したり死亡告知の投稿ができたりします

追悼アカウントの設定については、Instagramは遺族などの近親者のみ設定が可能である一方Facebookは親しい有人まで設定できるなどSNSごとに設定方法や適応範囲などが異なります。
またTwitterなど追悼アカウントの機能がない場合には、サービス提供元への申請が必要です。

先ほどお話したようにオンラインのデータやアカウントについてはアクセスに違法性が伴う可能性があるため、なるべく事前に追悼アカウントの設定が可能かどうか確認しておくようにしましょう

パスワード解除やデータ取り出しで必要なもの

デジタル遺品サポートを利用する際の注意点

今まで見てきたようにデジタル遺品は種類が多く、取り扱いもそれぞれ異なります。

このためデジタル遺品サポートを利用する際には、以下の2点に注意しましょう。

パスワード解除やデータ取り出しで必要なもの
  • 本人確認書類などが必要
  • 信頼できる業者に依頼する

本人確認書類が必要

デジタル遺品サポートは故人の個人情報や財産について取り扱うため、利用の際は対象者が亡くなったことや故人との関係性を証明する書類などが必要です。

必要書類の例としては、死亡診断書や戸籍謄本、運転免許証や保険証などの本人確認書類があげられます。

本人確認が取れない場合でもウイルス削除や各サービス提供元への案内といったサービスは受けられる可能性がありますが、パスワード解除やデータの取り出しなどほとんどのサービスが受けられないでしょう。

信頼できる業者に依頼する

個人情報や財産について取り扱うサービスを利用する際は、信頼できる業者に依頼することが重要です。

信頼できる業者を見極める際は、以下のような点に注目すると良いでしょう。

信頼できる業者を見極めるポイント
  • 本人確認書類の提示など必要なプロセスを要求してくる
  • サービス内容が明確である
  • 実績がある
  • データ削除証明書などを発行してもらえる

このような確認をせずに依頼をしてしまった場合、故人のデータや資産が流出・悪用されてしまう危険性があります

デジタル遺品サポートは大手パソコン修理業者も提供しています。

パソコン博士がおすすめするパソコン修理業者である、PCホスピタルデジタル遺品サポートを提供しています。

「思い出の写真を取り出したい」「パスワードを解除したい」「起動できるように復旧したい」「処分するのでデータを訴求したい」「SNSアカウントを削除したい」などさまざまな要望に応えてくれます。

デジタル遺品サポート:まとめ

今回はデジタル遺品サポートについて、デジタル遺品の種類やトラブルから、デジタル遺品サポートのサービスの内容、サービス利用時の注意点まで解説しました。

デジタル遺品は個人情報や財産を含んだ故人の大切なデータのため、慎重に取り扱う必要があります。

ただしデジタル遺品の取り扱いはサービス提供元などに個別的に委ねられていることが多く、法律などで一元的には未だ定義されていないのが実情です。

デジタル遺品の取り扱いについて不安な場合は、一度信頼のおけるサポート業者に相談してみると良いでしょう。

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※1 2023年8月末時点 日本PCサービス株式会社調べ
※2 2021年11月時点 2万6303人調査 調査主体:日本PCサービス株式会社 調査実施機関:株式会社インテージ

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かない@パソコン博士
パソコン博士。株式会社ケイ・ブリッジ パソコン修理担当。5歳の時に買い与えられたファミコンに興味を持ち、小学校では分解・組み立てて遊んでいた。中学校ではコンピューター部にも所属し、自分でテレビゲームを作ることに成功。大学では情報系学部に所属、研究室グループで開発された分析ソフトは経産相(当時通産省)での利用が決定。Googleが主催するビジネスコンテストの世界大会出場、大阪経済戦略局のIotプログラム選出、組み込み系デバイスの開発チーム参加、企業向けのパソコン講座講師を務めている。