会社では社員一人に一台与えられるほど、仕事をするうえで欠かせない機器になっています。
とはいえ、「自分が使用しているパソコンのOSがどんな種類かよく分からない」「そもそもOSって何なの?」という声も時折耳にします。
今回は、パソコンを使用する上で基本となるシステムのOSについて、分かりやすく解説します。
目次
パソコンのOSとは
OSとは「Operating System」の頭文字をとった略称で、直訳すると「操作システム」です。
OSはパソコンを操作するための基本となるソフトウェアで、基本ソフトウェアとも呼ばれています。
パソコンの起動と同時にOSも起動し、さまざまな処理を実行します。
OSにより提供されている、パソコンのシステム制御に関する要素は以下の通りです。
OSは、キーボードやマウスなどのデバイスから入力された情報のアプリへの伝達や、ハードウェアとソフトウェアの連携をつかさどる中枢的な役割を果たします。
多くのアプリが共通して利用できる基本機能を実装しており、システム全体を管理する役目も担っています。
パソコンを動作させるうえで欠かせないソフトウェアであり、OSがインストールされていなければパソコンを操作して何かを実行することはできません。
不便な思いをすることなくパソコンを使用できるのは、OSがユーザーの指示に基づき、マウスやキーボード、アプリの操作やインターネットの接続などを忠実に動作しているからこそなのです。
OSの歴史
コンピュータが登場した頃のメインフレーム(※)には、OSの機能は搭載されていませんでした。
各プログラムをコンピュータごとに読み込ませ、そのプログラムの処理を実行させるのみでした。
パソコンのような小型コンピュータが登場する前に主流だった、大型コンピュータシステムのこと。
当時は単に「コンピュータ」と呼ばれており、「メインフレーム」という呼称は後に誕生しました。
OSが登場したのは1960年代に入ってからで、今から50年以上も前のことです。
OSの元祖といわれているのが1964年にIBM社が発表した「OS360」で、現在の多様なOSの基盤を築き上げました。
その後、IBM社は「MVS」というマルチタスクOSを開発しています。
MVSは「Multiple Virtual Storage」の頭文字をとった略称で、「多重仮想記憶」を意味します。
「OS360」は発表後にさまざまな機能が拡充されましたが、その追加機能を整理拡充し、多重仮想記憶を搭載したOSが「MVS」です。
「MVS」は汎用コンピュータ全盛期の代表的なOSとなり、汎用コンピュータの業界標準となりました。
その後は数多くのメーカーからOSが発表され、徐々に改良されていき、現在のOSとなっています。
OSのシェア率
OSのシェア率という点では、やはりWindowsが群を抜いています。
Apple社を除く市販のパソコンのほとんどがWindowsを搭載していることもあり、高いシェア率を誇ります。
「Net Applications」が発表した2019年12月のデスクトップOSシェア率の調査によると、Windowsが86.8%となっており、ほぼ9割近いシェア率であることがわかります。
次いでMacOSが11.1%となっており、Apple製品にはMacOSが搭載されていることから、MacOSシェア率=Apple製品のシェア率であると言えるでしょう。
また、同じWindowsであっても、バージョンによってシェア率が異なります。
最新OSのWindows10のシェア率は54.6%ですが、古いバージョンのWindows7も26.6%と高い結果となりました。
OSの安定性という点を考慮し、動作が安定していたOSをそのまま利用するケースも多く、特に業務用のパソコンではそういった傾向が強くみられます。
当時のOSで開発されたシステムをそのまま運用している場合、新しいバージョンのOS下での利用には不安が残るため、あえて古いバージョンを使用し続けることもあります。
しかし、サポートが切れてしまうとOSが更新されなくなり、サイバー攻撃の対象とされることも多いため、早めに新しいOSに切り替えたほうが良いでしょう。
【参考】マイナビニュース/25%超がWindows 7という状況 – 12月OSシェア
OSの分類
OSは大きく分類すると、次のように分けられます。
詳しい内容は、以下のとおりです。
汎用OS
パソコンやサーバー、タブレットやスマートフォンなどに搭載されているOSを、汎用OSと呼びます。
複数のアプリをインストールして運用することが前提となっていることから、さまざまな機能が含まれています。
汎用性を持たせるため、幅広い機能やほかのアプリとの組み合わせを重視しており、どのような利用法でも困らないような高い機能を持ち合わせたハードウェアを実装するOSです。
組み込みOS
組み込みOSとは、ある目的に限定した機能を持つシステムです。
洗濯機や電子レンジなどのさまざまな電子機器ではコンピュータによる制御が行われています。
このような電子機器にもOSは必要ですが、処理や動作の遅れを防ぐなど特定の処理だけを必要とするため、最小限の機能で構成されています。
必要最低限の機能に絞り、高い応答性やリアルタイム性を重視していることから、リアルタイムOSとも呼ばれています。
OSの種類
代表的なOSとしてWindowsやMacOSがありますが、その他にも次のような種類のOSが提供されています。
それぞれどのようなOSか、以下で説明します。
Windows
ビル・ゲイツが開発し、Microsoft社から1985年に発売されたOSで、現在ではほとんどの市販のパソコンに搭載されています。
パソコン用OSとしては最大のシェアを誇り、世界でもっとも普及しているOSです。
2020年2月現在ではWindows10が最新のバージョンとなっており、サーバー用には別のWindows2019といったOSが用意されています。
MacOS
Apple社の開発したOSで、Apple社の製品に使用されています。
1984年に発売されたApple社の「Macintosh」に搭載されたのが始まりで、ウィンドウやメニュー、アイコン、マウス操作など「GUI(※)」が初めて備わったパソコンでした。
「GUI」とは「Graphical User Interface」の略語で、ビジュアルベースで操作できるユーザーインターフェースのこと。
現在では当たり前になっている、マウスを使いアイコンをクリックするなどの操作を可能にしたのがGUIです。
発売当初のmacintosh用GUI-OS「Software1.x」から、現在の「macOS Sierra」まで続いています。
以前のMacOSはUnixの技術を取り込んでいましたが、現在ではiOSを使用したデバイスとの連携が強化されています。
Chrome OS
Google社が開発した、LinuxをベースにしているOSです。
Googleアカウントを利用してログインする仕組みになっており、必要なアプリはすべてChromeにインストールし、Webアプリケーションとして実行します。
Webブラウザ上でほとんどの作業を行う設計となっているため、ブラウザ内ですべて完結することが可能です。
UNIX
UNIXは1969年にAT&T社ベル研究所で開発されたOSで、完全なマルチタスク機能を搭載しており、ネットワーク機能やセキュリティ強度が高く、安全性に優れていることが特徴です。
高い信頼性を持っていることから、研究所や学術機関などで導入されています。
オープンソースソフトウェアとして公開されていることもあり、誰でも自由に入手や使用、改変や再配布などを行えるため、現在は携帯機器などでも使用されています。
現行のmacOSやiOSはUNIX系OSで、そのほかにもLinuxやLinuxベースのAndroidなど、UNIXをベースにしたOSは数多く、ほかのOSにかなりの影響を与えたと言えるでしょう。
Linux
1991年にリーナス・トーバルスが開発したLinuxは、世界でもっとも普及しているオープンソースのOSです。
UNIX系のOSで、UNIXと同様に無償で配布されているため、誰でも自由に利用することができます。
Windows・MacOSの次に利用されているOSで、主にサーバー系コンピュータのOSとして利用されていますが、デジタル家電やゲーム機、スマートフォンのOSとしても利用されています。
BSD
BSDはUNIXを改良したOSで、1978年に開発されており、1995年には開発が終了しています。
UNIX系で初めて本格的にTCP/IPによる通信をサポートした点が特徴で、FreeBSDやOpenBSD、NetBSDなど、多くの派生OSを生み出しています。
Android
AndroidはGoogle社が開発した世界シェアNo.1のモバイル用OSです。
誰でも使用できる無償のオープンソースソフトウェアとして提供しており、iOS以外のモバイル端末には、ほぼAndroidが搭載されています。
Linuxがベースとなっており、スマートフォンやタブレットで使用されるタッチスクリーンに合わせてデザインされている点が特徴です。
Google社が提供しているOSであるため、GoogleマップやGmail、YouTubeなどGoogle社が提供しているアプリとの親和性が高いことから、Googleユーザーにとって使い勝手の良いOSとなっています。
iOS
iOSは、Apple社がMacOSを自社の携帯端末向けに開発し、iPhoneやiPadなどのモバイル端末に搭載されているOSです。
製品ごとに、最終アップデートが可能なバージョンが決まっている特徴があります。
iOSはAppleの製品上でしか動作しないためシェア率は低いですが、ハードウェアとの相性が良いことから、操作性の高さで評価されています。
まとめ
OSの基礎知識や種類についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
自分のパソコンがWindowsだということは分かっていても、バージョンまでは把握できていない人も多く、トラブルが発生したときに自己対応するとさらに症状が悪化することもあります。
パソコン初心者の場合、トラブルが起きたときは無理をせず、パソコン業者に相談してみるのがおすすめです。
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※1 2023年8月末時点 日本PCサービス株式会社調べ
※2 2021年11月時点 2万6303人調査 調査主体:日本PCサービス株式会社 調査実施機関:株式会社インテージ
インターネットが急速に広まったことから、パソコンを保有している家庭も増えました。