パソコンを使用している際に停電が起きると、不意に電源が切れることがあり、どのような問題が発生するかわかりません。
パソコンを操作していなければデータに大きな影響を与えることはありませんが、使用中のファイルがあると破損する場合があります。
今回は、停電によってパソコンが受ける影響や、前もって用意できる準備などについて、解説します。
目次
停電でパソコンが受ける影響
停電で急に電源が落ちてしまった場合、パソコンはどのような影響を受けるのでしょうか。
考えられる影響は、以下のとおりです。
- 作業中のデータが消失する
- ハードディスクが破損する
- OSが起動しない
- インターネットにつながらない
詳しい内容について、以下に説明します。

作業中のデータが消失する
パソコンを使用して作業していた場合、作業中のファイルはメモリ上で編集されています。
電源が落ちることによって、このメモリ上のデータは保管されないまま消滅するのです。
再び電源を入れて元のファイルを開けた際には、編集前の状態に戻っています。
ハードディスクが破損する
電源が落ちた際に、ハードディスクに対して読み取りや書き込みといった動作を行っていた場合、アクセスしているハードディスク内の磁気ディスクに傷がついてしまうことがあります。
傷ついたディスクは読み取ることができなくなり、ハードディスクが使用できなくなります。
破損が部分的なものであれば良いですが、ハードディスクにはマスター・ブート・レコードやパーティション・ブート・レコードといったハードディスクの動作に大切な領域があり、そこにダメージを受けてしまうと、ファイルだけでなくディスク全体が使用できなくなるでしょう。
OSが起動しない
ハードディスクが停電による急な電源の切断によってダメージを受けてしまうと、ファイルが壊れてしまう場合があります。
その壊れたファイルがWindowsのOSを起動するために必要なファイルであった場合、Windowsそのものが起動しなくなるようです。
インターネットにつながらない
急な停電によって影響を受けるのは、パソコンだけでなく、周辺で使用している外部機器も同様です。
インターネットの接続にはモデムやルーター、無線LANのアクセスポイントを使用しています。
モデムなども同様に影響を受けて電源が落ちるため、正常に起動するまではインターネットにつながらなくなります。
また、停電から復旧したあとは自動で起動しますが、通信が不安定になることからインターネットもつながりにくくなりますので、注意が必要です。
停電前の準備・対策(パソコンへの悪影響防止)
急な停電はパソコンに大きなダメージを与えますが、事前準備や対策を講じることで、少しでもダメージから逃れることが可能になります。
普段からもしものときに備えて、パソコンに影響を受けないよう準備しておきましょう。
準備しておくべき項目は、以下のとおりです。
- パソコンの電源を切る
- 電源ケーブルをコンセントから抜く
- こまめに作業中のファイルを保存する
- データのバックアップをとる
- サージ対策を行う
詳しい内容は、以下で説明します。

パソコンの電源を切る
計画停電などを事前に知っている場合は、パソコンをシャットダウンし電源の切れた状態にしておくことで、停電によるデータの消失やハードディスクの障害発生などのダメージから守れます。
電源を切った状態では誤作動を起こすこともないので安心です。
電源ケーブルをコンセントから抜く
パソコンの電源を切っておけば基本的には問題ありませんが、念のため、事前に電源ケーブルをコンセントから抜いておくようにしましょう。
急な停電からの復旧時には強い電気が流れることがあり、電源が切れているパソコンの内部に強い電気が流れる場合があるためです。
パソコンは電子機器ですから想定を超えた電流が流れてしまうと、内部のパーツに大きなダメージを受け、使用できなくなる可能性があります。
また、パソコンだけでなくモデムやルーター、外付けのハードディスクなどの外部機器も、同じように電源ケーブルを抜いておくとよいでしょう。
こまめに作業中のファイルを保存する
事前に通知された計画停電であれば、パソコンをシャットダウンして使用しないという対策をとれますが、急な停電の場合は対策が間に合わせないこともあります。
作業中のファイルは電源が切れると消失しますが、こまめに作業中のファイルを保存することで、メモリ内の情報が消えてしまっても、前回保存した内容はファイルとしてハードディスク内に残しておくことが可能です。
※保存作業は一瞬で完了するため、よほど大きなファイルでなければ影響は受けにくいですが、大きなデータをハードディスクへ保存している最中に停電が起きた場合、作業中のファイルだけでなくハードディスクに保存中のファイルが影響を受けるケースもあります。
データのバックアップをとる
パソコン内部に保存されているファイルが停電の影響を受ける可能性もあるため、重要なデータに関しては、バックアップを取っておきましょう。
CDやDVD、USBメモリなどのメディアにバックアップをとっておけば、停電による影響を受けずに済みます。
外付けのハードディスクに保存する方法もありますが、停電の影響を受けさせないためには、通常時はバックアップ用のハードディスクの電源を落とし、コンセントから電源プラグを抜いておきましょう。
サージ対策を行う
急な停電にもいろいろありますが、最も注意が必要なのが落雷による停電です。
停電による影響に加え、落雷による影響も同時に発生するからです。
落雷により、一時的に大きな電流が流れたあと停電状態になり、誤作動や劣化、絶縁破壊などの影響を受けるため、対策が必要になります。
これはサージ対策と呼ばれるもので、この対策が施された市販の電源タップを使用することをおすすめします。
パソコンの停電対策 〜UPS〜
急な停電からパソコンを守る方法として、UPSという製品が市販されています。
UPSを使用することで停電時に安全にパソコンをシャットダウンし、データの消失を防ぐことが可能です。

UPSとは
UPSは無停電電源装置と呼ばれるもので、落雷や停電、また、ブレーカーが落ちてしまったときなどの不意に発生した電力供給におけるトラブル時に、パソコンやサーバーなどのデジタル機器を安全にシャットダウンするための装置です。
停電時でも電力を供給し、すぐに電源が切れないようにしてくれる装置で、長時間の使用はできませんが、作業中のデータを保存しパソコンをシャットダウンする程度の時間は十分確保されています。
法人用のサーバー向けに販売されている他、家庭でも使用できる小型のUPSも市販されているため、もしもの場合に備えて設置しておくことをおすすめします。
設置自体はとても簡単で、UPSをコンセントに接続し、パソコンからの電源ケーブルをUPSのコンセントに接続するだけで、停電時の電源遮断が発生しなくなります。
コンセントからUPSを介し、パソコンを電源に接続する形となります。
完全な停電ではない、瞬電や瞬停などと呼ばれることのある瞬時電圧低下といった一瞬の電圧低下でも、パソコンは電源が落ちてしまいます。
このような事態でも、UPSがあれば電源が落ちる心配がありません。
UPSの種類
UPSにはいくつか種類があり、給電方式のオンライン方式とラインインタラクティブ方式があります。
オンライン方式は常にインバーターを経由して電力が供給されるため、安定した電圧や周波数で電力が供給されます。
また、瞬時電圧低下の影響を受けることもありません。
ただし、インバーターによって一定の電力消費がある点と、冷却ファンがあるため動作音がする点はデメリットといえます。
ラインインタラクティブ方式は、通常時はトランスを経由して電圧を安定させ、停電時にはバッテリーに切り替わるものです。
小型軽量で低コストですが、瞬時電圧低下には対応できないというのがデメリット点です。
UPSのメリット
UPSを使用することで、急な停電からパソコンや大切なデータを保護できます。
UPSには、パソコン以外にもさまざまな製品を接続できるため、停電時に電源を落としたくない電気製品全般に有効です。
附属するソフトをパソコンにインストールすることで、UPSの状況を確認したり、設定によっては自動でパソコンをシャットダウンすることも可能となります。
UPSの状況をモニターすることで、停電の発生をパソコンが感知し、設定された時間に自動でシャットダウンを行います。
停電でパソコンにダメージを受けた場合の対応方法

停電は予期せぬ時間に突然発生することがあるため、パソコンの電源を抜く暇もなく、ダメージを受けてしまうことも少なくありません。
通電を受けたハードディスクは、内部までダメージを受けることも多く、データの消失だけでなく、パーツ類にまで被害が及ぶ場合もあります。
停電後にパソコンが通常どおり起動したとしても、停電のダメージを受けた場合は、一度パソコン修理業者でみてもらうことをおすすめします。
停電中のパソコンへの影響:まとめ
停電によって使用中のパソコンが受ける影響についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
普段はそれほど起こることのない停電ですが、雷のシーズンともなると、落雷と併せて停電に対する対策も必要となります。
停電によるダメージを受けてしまった場合は、パソコン修理業者への早めの相談が必要です。
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