現代の生活に欠かせないWi-Fiですが、2019年から「Wi-Fi 6」がスタートしており対応機器も数々登場しています。
今回はWi-Fi 6について、
- Wi-Fi 6とは何か
- Wi-Fi 6の特徴
- Wi-Fi 6対応のおすすめ無線LANルーター
を中心に、Wi-Fiとセットでよく聞くIEEEとの違いや従来のWi-Fiとの違いも含め解説します。
目次
Wi-Fi 6とは
Wi-Fi 6とは、第6世代にあたる最新のWi-Fi規格の名称の1つです。
Wi-Fi 6について理解するために、以下の3つのポイントを解説します。
- Wi-Fiとは
- Wi-Fi 6は最新のWi-Fi規格
- Wi-FiとIEEEの違い
Wi-Fiとは
Wi-Fi 6について理解するために、まずWi-Fiとは何かについておさらいしておきましょう。
Wi-Fiとは、無線LANの規格であるIEEEの名称を指します。
今でこそ当たり前となっている無線LANですが、当初は機器によって相互接続できないといった問題がありました。
そのためIEEE(米国電気電子学会)によって「IEEE 802.11」という無線LANの標準規格が定められましたが、1997年の制定以降登場する新たな規格も「IEEE 802.11a」や「IEEE 802.11ac」など分かりづらいものでした。
そこで無線LANの普及を目的とした団体であるWi-Fi Allianceによって、それぞれの規格に与えられた名称が「Wi-Fi」です。
つまり、IEEEとWi-Fiはいずれも無線LANの規格を表すものであるものの、IEEEは正式な標準規格の名称、Wi-FiはIEEEのブランド名となります。
Wi-Fi 6は最新のWi-Fi規格
Wi-Fi 6は、第6世代にあたる最新のWi-Fi規格の名称です。
初の無線LAN標準規格である「IEEE 802.11」が定められたのは1997年以降ですが、それ以降最新の「IEEE 802.11ax」まで計6つの規格が定められています。
これに対し第4世代の「IEEE 802.11n」以降、分かりやすくナンバリングがされた形でWi-Fiの名称です。
今回のWi-Fi 6は、第6世代の規格である「IEEE 802.11ax」に対応したWi-Fiの名称です。
世代 | 規格名(IEEE) | ブランド名(Wi-Fi) |
---|---|---|
第6世代 (2019年) | IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6 |
第5世代 (2013年) | IEEE 802.11ac | Wi-Fi 5 |
第4世代 (2009年) | IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 |
第3世代 (2003年) | IEEE 802.11g | - |
第2世代 (1999年) | IEEE 802.11a IEEE 802.11b | - |
第1世代 (1997年) | IEEE 802.11 | - |
Wi-Fi 6の特徴 従来のWi-Fiとの違い
最新のWi-Fi規格であるWi-Fi 6は、「高速」「安定」「省エネ」という3つの優れた特徴を持っています。
今までのWi-Fiと比較してWi-Fi 6の性能をまとめると以下のようになります。
規格名(IEEE) | ブランド名(Wi-Fi) | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|---|
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6 | 9.6Gbps | 2.4GHz 5GHz |
IEEE 802.11ac | Wi-Fi 5 | 6.9Gbps | 5GHz |
IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 | 600Mbps | 2.4GHz 5GHz |
IEEE 802.11g | - | 54Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11b | - | 11Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11a | - | 54Mbps | 5GHz |
- 高速
- 安定
- 省エネ
2.4GHzと5GHzの違いについて
2.4GHzは床や壁などの障害物に強く、隣室や別の階などの離れた場所に電波を届けやすいというメリットがあります。
一方で家電製品や電子機器などのさまざまな機器で利用されている帯域のため、機器間での干渉により速度低下を起こしたり不安定になりやすいというデメリットがあります。
5GHzは逆に利用している機器が少ないため干渉による影響を受けづらいというメリットがありますが、障害物に弱く離れた場所との通信になると電波が弱くなるというデメリットがあります。
また古いWi-Fi端末の場合、5GHzに対応していない場合があるという点もデメリットとしてあげられます。
高速
Wi-Fi 6の特徴は、まず高速であるがという点です。
最大通信速度が9.6GbpsとWi-Fi5と比べて約1.4倍高速であるだけでなく、周波数帯も2.4GHzと5GHzの双方を利用できます。
このようにWi-Fi 6は、今後一般的になっていくことが予想される4Kや8K映像の配信などにも対応し得る次世代の高速通信を可能にします。
安定
Wi-Fi 6は高速なだけでなく、安定した通信が行えることも特徴としてあげられます。
Wi-Fi 6には「OFDMA(直交周波数分割多元接続)」と呼ばれる技術が採用されており、同時接続の端末数が増えた際にも順番待ちが発生しにくく効率的な通信が行えるようになっています。
また「MU-MIMO(マルチユーザーMIMO)」と呼ばれる技術も通信の高速化と安定供給に貢献しており、Wi-Fi 6では端末の最大同時接続数がWi-Fi5の4台に対して8台です。
IoT家電などにより家庭においても複数の製品・機器に安定的な通信が求められるようになっている現代ですが、Wi-Fi 6では上記のような技術により複数の端末が同時に接続している状態でも安定的な高速通信を実現します。
省エネ
高速通信と安定性を兼ね備えた高性能なWi-Fi 6ですが、省エネである点も特徴です。
Wi-Fi 6には「TWT(Target Wake Time)」と呼ばれる技術が採用されており、無線子機となるスマートフォンやタブレットなどのバッテリー消費を抑えられます。
データ通信のタイミングを調整することで信号受信を必要としない子機端末の通信機能をスリープ状態にし、消費電力を抑えてバッテリーを長持ちさせます。
このようにWi-Fi 6は子機端末のバッテリーを節約することができ、またこれは帯域幅の節約にも繋がります。
Wi-Fi 6対応のおすすめ無線LANルーター
最後にWi-Fi 6対応無線LANルーターについて、ハイエンドモデルとエントリーモデルを1機器ずつご紹介します。
- ハイエンドモデル:【BUFFALO】WXR-6000AX12S
- エントリーモデル:【ASUS】RT-AX55
ハイエンドモデル:【BUFFALO】WXR-6000AX12S
Wi-Fi 6対応無線LANルーターのおすすめハイエンドモデルはBUFFALOのWXR-6000AX12Sです。
市場価格 | 約3万7,000円(税込) |
最大通信速度(無線) | 5GHz:4,803Mbps 2.4GHz:1,147Mbps |
アンテナ数 | 外部アンテナ4本 |
本体サイズ(幅×高さ×奥行) | 300×195×75mm |
重量 | 約1,580g |
無線の最大通信速度が4,803Mbpsと高速であるほか、有線に関しても10Gbps対応のWAN/LANポートにより高速インターネットに対応しています。
また独自のアンテナ設計と「8×8 ビームフォーミング」技術の採用により安定的な通信も可能です。
WXR-6000AX12SはWi-Fi 6の高速通信と安定性を最大限発揮できる機器であるといえます。
エントリーモデル:【ASUS】RT-AX55
Wi-Fi 6対応無線LANルーターのおすすめエントリーモデルはASUSのRT-AX55です。
市場価格 | 約9,000円(税込) |
最大通信速度(無線) | 5GHz:1,201Mbps 2.4GHz:574Mbps |
アンテナ数 | 外部アンテナ4本 |
本体サイズ(幅×高さ×奥行) | 230x56x134mm |
重量 | 約374g |
最大通信速度は1,201MbpsとWXR-6000AX12Sと比べれば劣りますが、特筆すべきは1万円を切った価格帯でWi-Fi 6を構築できます。
5GHzと2.4GHzのデュアルバンドに対応しているなど必要な機能は抑えているほか、ブラックとホワイトの2色が用意されていたり薄型軽量だったりと置き場所を選ばないことも特徴です。
RT-AX55は手軽にWi-Fi 6環境を構築できる機器といえます。
ハイエンドモデルは必要?
ハイエンドモデルは、複数台機器に接続しての高速通信を求めるなら必要といえます。
ただしWi-Fi 6は下位互換性により従来のWi-Fi5対応機などのWi-Fi 6非対応機器とも接続自体はできるほか、Wi-Fi 6対応スマートフォンの多くも最大通信速度は依然として1,201Mbpsに留まっています。
そのため、Wi-Fi 6の強みを最大限に生かした体験のためには各機器を揃える必要があるため、今すぐにハイエンドモデルを導入する必要もないといえるでしょう。
Wi-Fi 6:まとめ
今回はWi-Fi 6について、その特徴やおすすめの無線LANルーターを解説しました。
「高速」「安定」「省エネ」という優れた特徴を持っているWi-Fi 6ですが、機器の選定や設置に関してお悩みの場合はパソコン修理業者に相談してみましょう。
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※1 2023年8月末時点 日本PCサービス株式会社調べ
※2 2021年11月時点 2万6303人調査 調査主体:日本PCサービス株式会社 調査実施機関:株式会社インテージ
自宅に限らず飲食店や駅などの公共施設、会社や学校などさまざまな場所で利用されているWi-Fi(ワイファイ)。
パソコンやスマートフォン、タブレット端末でインターネットを利用する際はもちろん、近年ではIoT化に伴い家電にもWi-Fiが利用されています。