データ復旧とパソコン修理は、提供しているサービスも得られる結果も大きな違いがあるため、業者選びは慎重におこなう必要があります。
今回は、データ復旧業者とパソコン修理業者の違いについて解説します。業者選びに迷った際の参考にしてみてください。
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メディアのなかで解決しなかった問題について、パソコン博士編集部では皆様におすすめのパソコン修理業者を紹介するため独自の調査をおこない、また自分たちもパソコン修理サービスを利用するなかで失敗しないサービス選びのポイントを培ってきました。
今回は、パソコン博士編集部が独自に収集してきたパソコン修理業者の情報や体験、各サービスの料金、実際のユーザークチコミなどを参考に、おすすめのパソコン修理業者をご紹介します。
目次
「データ復旧業者」と「パソコン修理業者」とは?
データ復旧業者とパソコン修理業者では、作業内容の違いがよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
データ復旧業者とパソコン修理業者には、それぞれ以下のような特徴があります。
業者によってサービス内容が異なるため、必ずしもすべての業者にあてはまるわけではありません。
データ復旧業者とは?
データ復旧業者は、主に壊れたハードディスクなどからデータを抽出するサービスを提供しています。
破損や劣化などによってパソコンのハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体に保存されたデータを消失させてしまった場合、ファイルとして回収してもらうことが可能です。
基本的にハードディスクの交換や修理などは対応しておらず、メディアからのデータの取出しをメインにおこなっています。
- 保存されたデータの救出や復旧が目的
- 破損したデータの復旧対応可
- ハードディスクの物理障害による破損対応可
- 復旧後の動作回復の確認は対応不可
物理障害とは、ハードディスクが物理的に破損してデータが読み取れない状態を指します。
故障原因には振動などの外部からの衝撃や落下や水没、熱暴走、経年劣化などがあり、異音や異臭、発熱といった異常が見られることが特徴です。
物理障害が発生したハードディスクは、分解して不良パーツを交換しなければデータ復旧は難しいとされています。
パソコン修理業者とは?
パソコン修理業者はその名のとおり、壊れたパソコンを修理してくれる業者を指します。
物理的な損傷による故障やシステムによる不具合など、パソコンのあらゆるトラブルへの対応が可能です。
パーツの交換や、不具合が起きたシステムの復旧などをおこなうことで、広くパソコンを修理します。
- パソコンの動作回復が目的
- ハードウェア・ソフトウェアによる不具合の対応可
- ハードディスクの論理障害による破損対応可
- データや設定のバックアップ対応可
論理障害とは、ハードディスク本体やパーツの問題ではなく、内部に保存しているデータに問題がある場合に発生する障害です。
システムファイルの破損や削除、ウイルス感染などが論理障害に当てはまります。
ハードディスク自体に障害が起きているわけではないため、フォーマットをおこなえばハードディスクを再利用できる場合があります。
ただしフォーマットを実行するとデータは消失するため、事前にデータ復旧ソフトなどによる対応が必要です。
「データ復旧業者」と「パソコン修理業者」のサービス内容の違い
大きく分類すると、データ復旧業者は破損したハードディスクのデータ抽出を、パソコン修理業者はそれ以外のサービスを担っています。
ハッキリとした線引きをしている業者も多いですが、データ復旧とパソコン修理の両方をおこなっている業者もいるため利用する際は事前に確認が必要です。
ここではデータ復旧業者とパソコン修理業者の混同されやすいサービス内容をピックアップし、どこまで対応してくれるか比較してみました。
以下の表を参考に、それぞれのサービス内容の違いについて項目ごとに解説します。
業者によってサービス内容が異なるため、必ずしもすべての業者にあてはまるわけではありません。
データ復旧
データ復旧についての各業者の違いは以下のとおりです。
データ復旧業者
さまざまなメディアのデータ復旧が可能です。
障害が発生したメディアからデータを抽出し、新しいメディアへファイルコピーをおこない、返却してくれます。
論理障害・物理障害のどちらにも対応していますが修理には応じていないため、データを抽出したあとは破損したままのメディアが返却されます。
パソコン修理業者
パソコン修理業者によっては、対応している場合もあります。
ハードディスクのみを扱っている業者もあれば、さまざまなメディアのデータ復旧に対応している業者も存在します。
データ復旧業者同様、データの抽出をおこないますが、修理が可能であれば応じてくれる場合もあるため、希望の業者へ確認してみましょう。
データ取出し
データ取出し(破損していないメディアからのデータ抽出)についての各業者の違いは以下のとおりです。
データ復旧業者
正常なパソコンからデータを取り出すだけの作業のため、データ復旧業者ではあまり取り扱っていません。
パソコン修理業者
パソコン修理業者ではデータ取出しに対応しています。
データバックアップやデータ移行など、取り出したデータを他のメディアやパソコンへ移行することも可能です。
ハードディスク修理
ハードディスク修理についての各業者の違いは以下のとおりです。
データ復旧業者
ハードディスクの修理もおこなっていますが、データを復旧させるための一時的な処置であって修理を目的としていません。
パーツを交換してドライブが読み取れるように修理しても、データ復旧後は元の故障パーツに戻して返却されます。
たとえハードディスクを修理してもらうことができても、動作回復の確認はしてもらえず、パソコンが壊れたまま返却される場合がほとんどです。
パソコン修理業者
データ復旧に対応しているパソコン修理業者だと、ハードディスク修理に対応してくれる場合があります。
ただし論理障害による修理のみを受け付けている場合、ハードディスク内部の故障には対応してくれない可能性もあるため注意が必要です。
ハードディスク交換
ハードディスク交換についての各業者の違いは以下のとおりです。
データ復旧業者
データ復旧の際に依頼すれば交換してくれる場合もありますが、パソコンの動作確認までは保証してもらえません。
また、ハードディスク交換のみでは依頼を受けていないデータ復旧業者がほとんどです。
パソコン修理業者
修理でなくともハードディスクの交換依頼が可能です。
交換後は、パソコンの動作確認までおこなってくれます。
マザーボードの交換
マザーボードの交換についての各業者の違いは以下のとおりです。
データ復旧業者
マザーボードに限らず、パソコンパーツの交換や修理は基本的に受け付けていません。
パソコン修理業者
マザーボードをはじめ、パソコンの各パーツの交換や修理に対応しています。
修理の際に必要となったパーツ交換なども可能です。
OSやドライバの更新
OSやドライバの更新についての各業者の違いは以下のとおりです。
データ復旧業者
論理障害によるデータ復旧の作業のひとつとして、OSやドライバの更新をおこなうことはあります。
しかし、復旧後のOSの起動は保証してくれません。
パソコン修理業者
修理に必要な際にOSやドライバの更新をおこなうほか、業者によっては修理とは別にOSやドライバを最新版に更新するサービスも提供しています。
修理後はパソコンが起動するかどうかの動作確認もおこなってくれます。
リカバリ
リカバリについての各業者の違いは以下のとおりです。
データ復旧業者
データを抽出することが目的のため、リカバリは対応していません。
パソコン修理業者
パソコン修理業者ではリカバリの依頼を受け付けています。
ただしデータ復旧や取出しを受け付けていない業者の場合、リカバリ前にバックアップを実行してもらえないこともあるため事前に確認が必要です。
設定のバックアップ
設定のバックアップについての各業者の違いは以下のとおりです。
データ復旧業者
ハードディスクをフォーマットせずに済めば設定が保存されている場合もありますが、基本的にバックアップの保証はされていません。
パソコン修理業者
修理前に依頼すれば、設定内容をバックアップしてもらうことが可能です。
「データ復旧業者」と「パソコン修理業者」のメリット・デメリット
ここからは、データ復旧業者とパソコン修理業者のそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。
データ復旧業者のメリット・デメリット
メリット
データ復旧業者の最大のメリットといえば、やはりデータを復旧させてくれることです。
水没や落下など、一般的には難しいとされる物理障害による故障であっても、高い確率でデータを復旧してくれます。
また、ハードディスクのデータを復元できた場合のみ料金が発生する、成果報酬制を採用しているデータ復旧業者が多いのもメリットのひとつといえるでしょう。
デメリット
ハードディスクなどのメディアに保存されているデータを取り出すことを重視しているため、パソコンの機能を回復してもらえる可能性が低い点がデメリットです。
動作復旧も対応していないことが多いため、データ復旧後にパソコンが使えなくなる場合もあります。
また、公式なセキュリティ規格を保有していない業者も多いので、依頼する業者によっては安全性に欠ける面もあります。
パソコン修理業者のメリット・デメリット
メリット
データ復旧業者と違い、パソコン修理業者はどのような症状の故障にも対応してくれる点が大きなメリットといえるでしょう。
ハードウェア・ソフトウェアに関わらず、どちらの不具合でも対処できる技術力の高いスタッフがそろっています。
基本的に「インターネットに繋がらない」「パソコンの動作が遅い」などといった内容にも対応可能です。
データ復旧サービスを扱っているパソコン修理業者の場合、データ復旧業者では断られるハードディスクの修理やパーツ交換なども依頼できます。
デメリット
パソコン修理業者はデータ復元より動作回復を優先するため、ハードディスクが破損すれば修理するよりも丸ごと交換するという業者も少なくありません。
故障しても何とかデータを残したいと思う人にとっては、デメリットになるといえるでしょう。
「データ復旧業者」と「パソコン修理業者」のどちらを選ぶべき?
パソコンが壊れてしまった場合、故障状況やバックアップの状況などによってどこへ依頼すべきかが変わってきます。
例えばパソコンが壊れる直前まで外付けのメディアにバックアップをとっていれば、データ復旧は必要ありません。
しかしパソコンのハードディスクにバックアップを保存していた場合、故障の状況によってはデータ復旧が必要となるでしょう。
ユーザーがデータを復旧したいかどうかによっても、どちらを選ぶか変わってきます。
おすすめはデータ復旧もおこなうパソコン修理業者
パソコン博士のおすすめは、データ復旧にも対応しているパソコン修理業者へ依頼することです。
データ復旧にも対応しているパソコン修理業者の場合、「データ復旧業者にデータ抽出や復元を依頼した後にパソコン修理業者にパソコンの修理を依頼する」といった2度手間を避けられるためです。
短期間でデータ復旧も修理も終わらせたい場合は、データ復旧サービスをおこなっているパソコン修理業者を探して依頼するようにしましょう。
データ復旧に対応している『PCホスピタル』
データ復旧を取り扱っているパソコン修理業者は数多いですが、その中でも特におすすめできる業者がPCホスピタルです。
パソコンはもちろん、外付けハードディスクやスマートフォン、USBメモリなど各メディアの消失したデータを復旧することが可能です。
データ復旧に関するさまざまなサポートもおこなっているため、パソコンが故障した場合はまずPCホスピタルに相談してみることをおすすめします。
まとめ
今回はデータ復旧業者とパソコン修理業者の違いについて紹介しました。
データの復旧を希望するかどうかで依頼先が異なってくるため、どちらも対応できるパソコン修理業者を探しておくことをおすすめします。
データ復旧費や修理費も業者ごとで違うため、事前に下調べをしたうえで選ぶようにしましょう。
パソコン博士の知恵袋はパソコン修理業者大手(上場企業)の PCホスピタル(累計サポート実績200万件以上 ※1、利用率No.1 ※2)をおすすめしています。 電話対応も丁寧で、お住まいの地域(全国対応)に応じたパソコン修理サービスを提案してくれます。
PCホスピタルは大切なデータを保護(復元も可能)した上でパソコン修理をおこなってくれます。「再起動を繰り返す」、「シャットダウンできない」、「電源が入らない」などのPCトラブルもすぐに行ってくれます。PCホスピタルは東京や大阪、名古屋、福岡など大都市以外の地方都市にも店舗があり、即日対応可能です
※1 2023年8月末時点 日本PCサービス株式会社調べ
※2 2021年11月時点 2万6303人調査 調査主体:日本PCサービス株式会社 調査実施機関:株式会社インテージ
パソコンに障害が起きた場合、データ復旧業者とパソコン修理業者のどちらに修理を出せば良いか迷う人も少なくありません。