パソコンのシャットダウンを実行したはずなのに、いつまでたっても電源が切れないと何かトラブルが発生しているようで不安に感じるものです。
外出前や退社前などにこのような現象が発生すると、シャットダウンするまで足止めを食らってしまうので、イライラしますよね。
今回はパソコンのシャットダウンが遅い原因と、その対処法について解説します。
目次
Windows10のシャットダウンの基礎知識
パソコンのシャットダウンが遅い原因を探る前に、まずはWindows10のシャットダウンとはどのようなものか、簡単に説明します。

Windows10のシャットダウンの種類
Windows10では、通常のWindowsを終了するシャットダウンと、パソコンの電源を完全に切る完全シャットダウンの2種類があります。
Windowsを終了する
動作や操作状況などのシステム情報を保存し、周辺機器と通電したままWindowsを終了している状態です。
起動したときの高速スタートアップを目的として、この機能が搭載されています。
パソコンの電源を完全に切る
周辺機器を含め、パソコン本体も完全に電源が切断されている状態です。
次回起動時はゼロから読み込むため、起動に時間がかかる場合があります。
Windows10のシャットダウンの状態とは
前者のWindows10のシャットダウンは、以前のWindowsのシャットダウンとは少し状態が異なります。
これまでと大きく変わった点は、起動にかかる時間が格段に速くなったことです。
Windows8からシャットダウンの仕様が異なっており、完全なシャットダウンではなく「休止状態」となります。
「休止状態」とは、開いているプログラムやファイルの情報をハードディスクやSSDに保存し、そのままの状態を保ったまま電源オフの状態になることを指します。
Windowsは新しいバージョンになるほど、OSが重くなります。
パソコンの性能が上がるとともに、起動時に読み込むデータが増えるため、起動にも時間がかかるのです。
パソコンを休止状態にすることで、次回起動したときに保存済みのシステム情報を読み込むことにより高速で起動することが可能になります。

パソコンのシャットダウンが遅い原因
パソコンのシャットダウンが遅い理由として、以下が考えられます。
- パソコンの帯電
- Windows10の不具合
- Windows Updateの影響
- 追加アプリの影響
- セキュリティソフトの影響
- ウイルスの感染

パソコンの帯電
パソコンに電気がたまることで、さまざまな不具合が起きることがあります。
処理に時間がかかるのも帯電による不具合のひとつで、その影響によりシャットダウンが遅くなってしまいます。
Windows10の不具合
Windows10では、新しい機能がWindows Updateにより追加されます。
しかし、新しくインストールされたファイルの中には、バグが残ったプログラムが含まれているケースもあるようです。
このような不具合に対してはWindows Updateで新たな更新プログラムが配布されますが、すぐに提供されるわけではありません。
不具合の内容によっては、シャットダウンが遅くなることがあります。
Windows Updateの影響
Windows Updateでは、ダウンロードした更新プログラムがすぐに適用されることもあれば、シャットダウン時や再起動時に適用される場合もあります。
使用中のファイルは更新できないため、使用していない状態にしてアップデートが実行されます。
そのため、シャットダウン時に更新が適用される場合、完了するまでかなり時間を要するのです。
「更新プログラムを構成しています」とメッセージが表示される間はアップデート中であるため、更新が完了しシャットダウンされるのを待ちましょう。
追加アプリの影響
追加したアプリがWindows10に対応していない場合やドライバに不具合があると、トラブルが引き起こされます。
また、追加したアプリによっては起動した場合のみ稼働するのではなく、使用時にストレスなく起動し操作できるよう常駐するため、起動やシャットダウンが遅くなる現象を引き起こすのです。
セキュリティソフトの影響
セキュリティソフトはWindowsの起動時から常に監視を行い、バッググラウンドで動作し続けるため、パソコンの動作が重くなりやすい特徴があります。
シャットダウン時には状態をハードディスクなどに保存するため、これもシャットダウンが遅くなる原因のひとつです。
また、セキュリティソフトの不具合が原因で動作が不安定になり、シャットダウンが遅くなることもあります。
ウイルスの感染
パソコンがウイルスに感染すると、さまざまな不具合が発生します。
パソコンにどのような影響を与えるかは、ウイルスの種類によって異なります。
内部で複数の処理を実行している場合、シャットダウンに時間がかかったり、シャットダウンさせないような動きをしたり、シャットダウンできない・遅いといったトラブルに進む場合があるようです。
シャットダウンが遅い?対処前に確認するポイント
シャットダウンが遅いのは、ただ時間がかかっているだけかもしれません。
対処を行う前に、まずは以下のポイントを確認してみましょう。
- 少し待ってみる
- アクセスランプを確認する
- タスクマネージャーを確認する

少し待ってみる
パソコンのシャットダウンが遅い場合、すぐに対処を行うのではなく、まずは少し待ってみることが基本です。
バックグラウンドで処理に時間がかかっている、もしくはWindows Updateが実行されているだけかもしれません。
いきなり電源をオフにすると、処理中のファイルを破損させる恐れがあります。
状態を保存してファイルを閉じたあとでシャットダウンを実行するため、保存に時間がかかり、シャットダウンに影響を与えている可能性があります。
そのまま放置して、シャットダウンされるか待ってみましょう。
アクセスランプを確認する

アクセスランプは電源マークの「電源ランプ」や「バッテリーランプ」などと並んで表示されている円柱型のマークのランプです。
アクセスランプはハードディスクなどに対して、データの読み書きを行っている際に点灯または点滅を行います。
処理を行うたびに点灯・消灯を繰り返すため、アクセスが多くなると点灯したままとなります。
引用:NEC LAVIE公式サイト
シャットダウン時にこのランプが点灯や点滅している場合は、アクセスを行なっている最中であるサインです。
時間がかかっていても処理が完了すればシャットダウンが実行されるため、アクセスランプが消灯するまでしばらく待ってみましょう。
※アクセスランプが点滅、または点灯中に強制終了すると、処理中のデータがすべて失われてしまいます。
データを消失させたくない場合は、アクセスランプが消えるまでしばらく置いておきましょう。
タスクマネージャーを確認する
アプリが終了していない場合、シャットダウンの処理をブロックしていることが考えられます。
タスクマネージャーを起動すると、アプリが処理を継続しているかどうか、また、ハードディスクなどへのアクセス状態やCPUの稼働状態、ネットワークへのアクセスなどもグラフで確認できます。
タスクマネージャーで稼働中のアプリを終了させて、シャットダウンが実行されるか確認しましょう。
- Windowsロゴを右クリックし、一覧の中から「タスクマネージャー」をクリックします。
※タスクバーの何も表示していない部分を右クリックしても、「タスクマネージャー」を表示できます。 - 「タスクマネージャー」が表示されたら、終了したいアプリを選択し、「タスクの終了」をクリックすればアプリが終了します。
※下図はタスクマネージャーの詳細画面ですが、簡易表示画面からでも同様の方法でアプリケーションを終了できます。
パソコンのシャットダウンが遅い場合の対処法
シャットダウンがいつまでたっても実行されない場合は、以下の対処法を試してみてください。
- 放電を行う
- 周辺機器を取り外す
- Windows Updateを実行する
- 追加アプリをアンインストールする
- セキュリティソフトを無効にする
- ウイルススキャンを実行する
- パソコンを強制終了する
詳しい内容については、以下で説明します。

放電を行う
- CDやDVD、USBメモリなどの媒体をセットしている場合、すべて取り出します。
- 電源が切れた状態でACアダプタと電源ケーブル、バッテリーや周辺機器など、すべての接続をパソコンから取り外します。
- 5分以上放置して、再度ケーブルやバッテリーなどを取り付けます。
- パソコンを起動し、問題が改善されているか確認します。
周辺機器を取り外す
接続している周辺機器の影響により、シャットダウンに時間がかかっているのかもしれません。
- パソコンに接続されているマウスやキーボード、外付けドライブなどの周辺機器をすべて取り外します。
- 電源を入れ、正常にシャットダウンするか確認します。
Windows Updateを実行する
Windows10に不具合が発生し、トラブルを引き起こしていることも考えられます。
Windows Updateを行い、更新プログラムをインストールすると改善される場合もあります。
- Windowsロゴをクリックし、設定をクリックします。
- 「設定」画面が表示されたら「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 「更新とセキュリティ」画面が表示されたら、左側のメニューから「Windows Update」をクリックし、「更新プログラムのチェック」をクリックすれば自動的に更新プログラムがインストールされます。
※Windows Updateを行った場合、再起動が必要になることもあるため、事前に必要なデータを保存してすべてのアプリケーションを終了させておきましょう。
追加アプリをアンインストールする
トラブルが発生する前に何らかのアプリをインストールしていた場合、それが原因で問題が生じているのかもしれません。
以下の手順で、インストールしていたアプリをアンインストールしてください。
- Windowsロゴをクリックして、スタートメニューを表示させます。
- スタートメニューを下にスライドさせ、「Windowsシステムツール」をクリックして一覧を表示し、「コントロールパネル」をクリックします。
- 「コントロールパネル」画面が表示されたら、「プログラムのアンインストール」をクリックします。
- 「プログラムと機能」画面が表示されたら、アンインストールしたいソフトウェアを右クリックし、「アンインストール」をクリックします。
※アンインストールしたいソフトウェアが見当たらない場合、「インストール日」をクリックし、昇順・降順に入れ替えてみましょう。
最新のインストール日のソフトウェアをチェックし、正しければアンインストールを実行してください。 - アンインストールの確認画面が表示されますので、「はい」をクリックすれば完了です。
セキュリティソフトを無効にする
セキュリティソフトは常駐するプログラムの中でも、処理が重い部類に入ります。
セキュリティソフトを無効にして改善される場合もありますが、パソコンが無防備な状態となるため、ネットワークから切断して実行するようにしましょう。
スムーズにシャットダウンできた場合は、セキュリティソフトの設定などに問題があると考えられます。
使用しているセキュリティソフトの公式サイトで、設定の詳細を確認してみましょう。
※セキュリティソフトを無効にすると、不正なアクセスやウイルスなどの脅威からパソコンが保護されなくなるため、再起動後は必ずセキュリティソフトを有効に戻してください。
ウイルススキャンを実行する
インストールしたセキュリテイソフトや、クラウド上のウイルススキャンソフトを使用して、ウイルスの有無、また、その除去を行うことで改善される場合があります。
シャットダウンに影響がなくても、ウイルススキャンはまめに行い、パソコンを安全な状態にしておくことが必要です。
※スキャンの実行方法は、インストールしているセキュリティソフトの公式サイトを確認ください。
パソコンを強制終了する
シャットダウンに時間がかかり、いくら待っても終了しない場合は、最終手段として強制終了を行います。
強制終了すると、作成中のデータは最終保存したときの状態までしか復元できません。
マウスやキーボードが動作するなら、可能な限りアプリケーションを終了させて強制終了するようにしてください。
強制終了はファイルの破損などのリスクもあるので、アクセスランプが消灯しているタイミングを見計らって行う必要があります。
強制終了は、以下のどちらかの方法で実行できます。
・電源ボタンを押し続ける
・ACアダプタをコンセントから抜く
電源を切った後は、しばらく時間をおいてから再び電源を入れるようにしてください。
強制終了はデータを消失してしまうだけでなく、パソコンにも大きなダメージを与えてしまうため、頻繁に行わないようにしましょう。
まとめ
シャットダウンが遅い現象がそのとき限りであれば、まずはそのまましばらく待ってみることも必要です。
しかし、毎回シャットダウンが遅い場合は、パソコンにトラブルが起きていることが考えられます。
こちらで紹介した対処法で問題が改善されない場合は、パソコン修理業者に相談してみましょう。
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