画面上でくるくる回るアニメーションが表示されて起動しない場合、さまざまな原因が考えられます。原因に応じて適切な対処法を実践することが重要です。
今回は、Windows11の画面がくるくるして起動しない原因や対処法を解説します。
本記事を読めば、起動トラブルへの対処法を理解してスムーズに問題を解決できます。パソコンの起動トラブルを解決して、快適な作業環境を取り戻しましょう。
目次
Windows11が黒い画面でくるくるして起動しない原因
Windows11が黒い画面でくるくるして起動しない原因は、大きく以下の4つがあげられます。
- Windows Updateを長期間おこなっていない
- 強制終了後に起動している
- スリープ状態を長く続けている
- システムファイル・デバイスドライバーが破損している
上記の原因に応じて、適切な対処方法を実践しましょう。
Windows Updateを長期間おこなっていない
Windows Updateを長期間おこなっていないとOSが最新の状態でなくなり、さまざまな不具合が蓄積される可能性があります。
Microsoft社は定期的にセキュリティパッチやバグ修正をおこなっており、アップデートを適用しないとシステムの安定性が低下するためです。
結果として、起動時に黒い画面でくるくると読み込みが続き、Windowsが正常に立ち上がらなくなるケースがあります。
特に、長期間更新していない場合は、手動でアップデートを確認してOSを最新の状態に保ちましょう。
強制終了後に起動している
パソコンを強制終了した後に起動すると、システムが正常に立ち上がらないケースがあります
強制終了はデータの保存を待たずに電源を切るため、システムファイルの破損やデータの不整合を引き起こす可能性があるからです。
そのため、次回の起動時に黒い画面でくるくると読み込みが続き、Windowsが正常に起動しないケースがあります。
特に、更新プログラムのインストール中に強制終了をおこなうと、深刻な問題を引き起こすリスクが高まります。
可能な限り、通常の手順でシャットダウンや再起動をおこない、強制終了は最終手段としてのみ使用するようにしましょう。
スリープ状態を長く続けている
スリープ状態を長時間続けていると、システムが正常に復帰できなくなるケースが見受けられます。
スリープは、パソコンの動作を一時的に停止して電力消費を抑える便利な機能です。
しかし、長期間にわたってスリープ状態を維持すると、一時ファイルの蓄積などが原因でシステムが不安定となりかねません。
結果として、スリープから復帰時に黒い画面でくるくると読み込みが続き、操作不能になるケースがあります。
スリープがなかなか解除できない場合は、一度シャットダウンして再起動してシステムのリフレッシュを図りましょう。
システムファイル・デバイスドライバーが破損している
システムファイルやデバイスドライバーが破損すると、Windowsの起動プロセスが正常に進まず、黒い画面で止まってしまうケースがあります。
システムファイルはシステムの基本的な動作を支える重要な要素であり、ウイルス感染・シャットダウンなどで破損するケースが多いです。
また、デバイスドライバーの不具合は、ハードウェアとの通信エラーを引き起こしてシステム全体の不安定さにつながります。
システムファイル・デバイスドライバーに不具合が起きた場合、Windowsの修復機能やセーフモードを利用して問題の解決を目指しましょう。
HDD・SSDが故障している
HDDやSSDが故障すると、黒い画面でくるくると読み込みが続く症状が現れます。
データの読み書きが不安定になり、システムが正常に起動しなくなるためです。
HDDやSSDの故障は、物理的な損傷・経年劣化・シャットダウンなどが原因として考えられます。
HDDやSSDの故障はデータの消失にもつながるため、早急な対応が必要です。
異音がする・ファイルの読み書きが遅いなどの兆候がある場合は、専門業者に診断を依頼するか新しいパソコンへ交換しましょう。
重要なデータは定期的にバックアップを取り、万一の故障に備えることが大切です。
Windows11の画面がくるくるして起動しない場合の対処法
Windows11の画面がくるくるして起動しない場合の対処法として、以下があげられます。
- アップデートが終わるまでしばらく待つ
- 周辺機器を取り外す
- 放電する
- セーフモードで起動する
- 更新プログラムをアンインストールする
- BIOSを初期化する
- スタートアップ修復をおこなう
- システム復元を実行する
- Windows11を再インストールする
パソコンの状況に合わせて、上記の方法を使い分けてください。
アップデートが終わるまでしばらく待つ
Windows11が黒い画面でくるくると読み込みを続けて起動しない場合、バックグラウンドでシステムアップデートが進行している可能性があります。
よって、アップデートが終わるまでしばらく待ちましょう。
アップデートの途中で強制的に電源を切ると、システムファイルの破損を引き起こすリスクがあります。
特に、大型のアップデートや多数の更新プログラムが適用されている場合、完了までに数十分から数時間かかるケースもあります。
しばらく経っても状況が変わらない場合は、以下で紹介する他の方法を試しましょう。
周辺機器を取り外す
周辺機器を取り外すことも、起動トラブルを解決する有効な手段です。
USBデバイスや外付けハードディスク、プリンターなどの周辺機器が正常な起動を妨げている可能性があります。
周辺機器を取り外して、正常に起動できるか確認しましょう。具体的な手順は、以下のとおりです。
- パソコンの電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウン
- USBデバイス・プリンター・マウスなどすべての周辺機器を取り外す
- パソコンの電源を入れ、起動するか確認する
正常に起動した場合、周辺機器を1つずつ接続しましょう。上手くパソコンが動作しなければ、接続した周辺機器が問題を引き起こしている可能性が高いです。
放電する
放電もパソコンの起動トラブルを解決するのに効果的な方法です。
放電処理で内部にたまった不要な電気をリセットしてハードウェアの誤作動を解消できます。
- パソコンを完全にシャットダウンする
- デスクトップの場合は電源コード、ノートパソコンの場合は電源アダプターとバッテリーを外す(周辺機器もすべて外す)
- 5〜10分程、放置する
- 電源ケーブルとバッテリー、周辺機器を再接続する
- パソコンの電源を入れ、正常に起動するか確認する
セーフモードで起動する
セーフモードは、必要最低限のドライバーとサービスでWindowsを起動するモードです。
セーフモードであれば、システムに問題が発生していても起動できるケースがあります。
また、ウイルス診断や問題のあるプログラムの削除など修復に向けたさまざまな対応を進められるかもしれません。
一般的なセーフモードの起動手順は以下のとおりです。
- 電源ボタンを押す→起動中に電源ボタンを長押しして強制終了する
- 上記を2〜3回繰り返すと、自動修復画面が表示される
- 「詳細オプション」をクリック
- トラブルシューティング画面から「詳細オプション」をクリック
- 「スタートアップ設定」をクリック
- 「再起動」をクリック
- 再起動後のメニューで「4」または「F4」キーを押し、セーフモードを起動する
セーフモードで正常に起動した後は、問題となっているソフトウェアやドライバーをアンインストールするなどの対処をおこないましょう。
更新プログラムをアンインストールする
最近のWindowsアップデートが原因で問題が発生している場合、更新プログラムのアンインストールで解決できるケースがあります。
通常はトップ画面の「スタート」ボタンから実行できますが、起動トラブルが起きている場合は画面操作ができません。
よって、以下の手順で自動修復画面から更新プログラムのアンインストールを実施します。
- 電源ボタンを押す→起動中に電源ボタンを長押しして強制終了する
- 上記を2〜3回繰り返すと、自動修復画面が表示される
- 「詳細オプション」をクリック
- トラブルシューティング画面から「詳細オプション」をクリック
BIOSを初期化する
BIOSとは、マザーボードに組み込まれるハードウェアを制御するプログラムです。
BIOS設定の不具合が起動問題の原因となっている場合、BIOSを初期化して解決できるケースがあります。
BIOSを初期化する具体的な手順は、以下のとおりです。
- 電源を入れ、起動時に「F2」や「Del」キーなどを押してBIOS設定画面に入る(キーは機種によって異なる)
- 「F9」キーを押す
- 「Load Optimized Defaults?」というメッセージが表示されるため、「Yes」を選択して「Enter」キーを押す
- 「F10」キーを押す
- 「Save configuration and reset?」というメッセージが表示されるため、「Yes」を選択して「Enter」キーを押す
- パソコンが再起動に入るため、正常に起動するか確認する
スタートアップ修復をおこなう
スタートアップ修復は起動に関する問題を自動的に検出し、修復してくれる機能です。
スタートアップ修復は正常に起動しない状態でも実行できるため、修復後に問題を解決できる可能性があります。
スタートアップ修復の具体的な手順は、以下のとおりです。
- 「電源ボタンを押す→起動中に電源ボタンを長押しして強制終了する」を繰り返し、「自動修復画面」を表示させる
- 「オプションを選択」画面が表示されるため、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」の順でクリックする
- 回復キーを入力して「続行」をクリック
- スタートアップ修復が開始され、自動的に問題を検出して修復を試みる
- 修復完了後、パソコンを再起動して問題が解決したか確認する
システム復元を実行する
システム復元は、過去に保存した復元ポイントまでパソコンの状態を戻せる機能です。
システム復元を使えば、パソコンを正常に動作していた時点の状態に戻せます。
ただし、事前に復元ポイントを設定しておかなければならない点に注意が必要です。
また、復元ポイント以降に保存したデータは削除されてしまいます。
システム復元の具体的な手順は、以下のとおりです。
- 「電源ボタンを押す→起動中に電源ボタンを長押しして強制終了する」を繰り返し、「自動修復画面」を表示させる
- 「オプションを選択」画面が表示されるため、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」の順でクリックする
- ユーザーアカウントを選択し、パスワードを入力
- 表示される復元ポイントから、問題が発生する前の日付を選ぶ
- 画面の指示に従ってシステム復元を開始する
- 復元が完了したら、パソコンを再起動して正常に起動するか確認する
Windows11を再インストールする
上記の方法でも問題が解決しない場合、Windows11の再インストールが最終手段です
Windows11の再インストールにより、ハードディスクを初期化してパソコンを工場出荷時の状態に戻します。
Windows11を再インストールする手順は、以下のとおりです。
- 「電源ボタンを押す→起動中に電源ボタンを長押しして強制終了する」を繰り返し、「自動修復画面」を表示させる
- 「オプションの選択」画面が表示されるため、「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」の順にクリック
- 「すべてを削除する」をクリック
- 「ローカル再インストール」を選択した後、「ファイルの削除のみ行う」をクリック
- 「初期状態に戻す」をクリック
- パソコンの初期化が始まり、作業完了後に再起動する
再インストールによりシステムの問題を根本的に解消できますが、パソコンの設定やアプリなどはすべて削除されてしまいます。実行する前に、データのバックアップが必要です
Windows11の復旧作業をおこなう上での注意点
Windows11の復旧作業をおこなう上での注意点として、以下の2つがあげられます。
- 長時間の復旧作業は避ける
- 最低限の作業にとどめる
上記のポイントに注意して、復旧作業を進めましょう。
長時間の復旧作業は避ける
Windows11の復旧作業を行う際、長時間にわたる復旧作業は避けましょう。
ハードウェアやソフトウェアにさらなる負荷をかけ、データ消失などさらに問題を悪化させる可能性があります。
一定時間内に解決しない場合は、専門業者に修理を依頼するかメーカーのサポートを利用しましょう。
最低限の作業にとどめる
復旧作業では、必要最低限の操作にとどめることが重要です。
復元作業にはデータの削除に関わる操作もあり、誤操作で重要なデータがけてしまうなどのトラブルも考えられます。
今回紹介した対処法を試し、改善が見られない場合は専門業者に修理を依頼しましょう。
また、復元作業の前には重要なデータのバックアップを取るなど万一に備えた対策も実施しておくのがおすすめです。
Windows11の画面がくるくるして起動しない時にやってはいけいないこと
Windows11の画面がくるくるして起動しない時にやってはいけいないことは、主に以下の2つです。
- 何度も強制終了を繰り返す
- パソコンを分解して内部パーツをいじる
復元作業は、上記の行動を起こさないよう注意しましょう。
何度も強制終了を繰り返す
何度も強制終了を繰り返すことは避けましょう。Windows11の起動時に画面がくるくると回り続けると、つい焦って強制終了ボタンを何度も押してしまいがちです。しかし、強制終了はシステムのプロセスを突然中断させるため、システムファイルの破損やデータの損失を引き起こす可能性があります。
特に、アップデートのインストール中やディスクの読み書きが行われている最中に電源を切ると、深刻なシステムエラーや起動不良の原因となります。
また、HDDやSSDに損傷が生じ、二度とパソコンが立ち上がらなくなる可能性も高いです。
一度の強制終了で解決しない場合は、他の対処法を検討しましょう。問題が長時間続く場合は専門業者に相談するか、公式のサポートに問い合わせてください。
パソコンを分解して内部パーツをいじる
起動しない原因を突き止めようとして、自分でパソコンを分解し、内部パーツをいじることは非常に危険です。
専門的な知識や適切なツールがないまま内部に手を加えると、ハードウェアの損傷や感電などのリスクがあります。
特に、ノートパソコンは複雑な構造になっており、分解には高度な技術が必要です。
メーカーの保証期間中に分解を行うと保証が無効になる場合があります。静電気によってデリケートな電子部品が損傷してしまうケースもあり、問題をさらに悪化させる可能性も高まります。
自力でWindows11の起動トラブルを改善できない時の対処法
自力でWindows11の起動トラブルを改善できない時の対処法は、主に以下の2通りです。
- 専門業者に修理を依頼する
- 新品のパソコンに買い換える
専門業者に修理を依頼する
自力でWindows11の起動トラブルを解決できない場合、専門業者に修理を依頼しましょう。
専門業者はパソコンに関する豊富な修理経験と知識を持っており、ハードウェアからソフトウェアのトラブルまで幅広く対応できます。
専門業者であれば、データの損失やシステムの破損を最小限に抑えつつ迅速に修理してもらうことが可能です。
なお、修理を依頼する際は、良い口コミがある・パソコン修理に関する資格をもつなど信頼できる業者をおすすめします。
新品のパソコンに買い換える
パソコンの起動トラブルが深刻で修理費用や時間がかさむ場合、新品のパソコンに買い換えることも1つの選択肢です。
特に、使用年数が長くハードウェアの老朽化が進んでいる場合は、新しい機種への移行が長期的に見て経済的なケースも多いです。
最新のパソコンは性能が向上しており、より快適な操作環境で作業できます。
また、メーカーの保証や最新のセキュリティ機能も備わっているため、安全性が高い点も特徴です。
買い換える際は使用目的や必要なスペックを明確にし、最適な機種を選びましょう。
まとめ
Windows11が黒い画面でくるくるして起動しない原因には、Windows Updateの未実施・強制終了の繰り返しなどが考えられます。対処法としては、放電・セーフモードでの起動・BIOSの初期化などがあります。
復旧作業は長時間避け、最低限の作業にとどめることが重要です。また、何度も強制終了を繰り返したり、パソコンを分解することは避けましょう。自力で解決できない場合は、専門業者への修理依頼や新品への買い換えを検討してください。
Windows11を使っていると、急に画面がくるくるしてなかなか起動しないトラブルに見舞われた方もいるでしょう。