パソコンのドット抜けとは?液晶ディスプレイに発生する原因や簡単な対処法まとめ

パソコンを購入して修理が必要な不具合が発生した場合、購入直後であれば初期不良として、それ以外は保証期間内であれば不具合として修理を受け付けてもらえます。
しかし、パソコンの液晶ディスプレイにトラブルが発生した場合は、対応が若干異なります。
液晶ディスプレイには、まれに『ドット抜け』と呼ばれる現象が画面上に発生しますが、メーカーが保証対象外としているケースが多いのです。

今回は、液晶ディスプレイのドット抜けの原因や簡単な対処法などについて、解説します。

パソコンディスプレイの『ドット抜け(画像欠点)』とは

液晶ディスプレイに小さな黒い点や、常時点灯する赤青緑の点が見える状態、または色ムラや明るさのムラが発生する状態を、ドット抜けと呼びます。
ドットが何らかの不具合により、指定どおりに正しく光らない・または消えない状態を指し、「ドット落ち」や「ドット欠け」とも呼ばれます。

ドット抜けには、以下の2種類があります。

  • 輝点

すべての点を消灯して画面を黒く表示しようとしても、常に点灯しています。
黒い画面にすると、光る点として現れます。

  • 黒点

すべての点を点灯して画面を白く表示しようとしても、常に消灯しています。
白い画面にすると、黒い点もしくは白以外の光る点として現れます。

ドットとは

ドット抜けの「ドット」とは、ディスプレイやプリンタで画像や文字を構成する最小単位の点のことです。
無数のドットが集まることにより、パソコン画面で画像や文字を再現できます。

液晶ディスプレイのスペックで使用される画素数の「画素」は、デジタル画像を構成する最小単位の点を意味しており、「ピクセル」とも呼ばれます。
画素(ピクセル)は赤青緑の3つの副画素(サブピクセル)で構成されていますが、この副画素のことをドットと呼びます。


引用:Lenovo

簡単に説明すると、赤青緑の副画素(ドット)をひとつにまとめたものが1画素(1ピクセル)で、それぞれの副画素の明るさを変更することで、さまざまな色を表現できるということです。
すべての副画素を消灯させると画面が真っ黒になり、すべての副画素をもっとも明るく発光させると画面が真っ白になります。

ちなみに、パソコンのカタログなどで画面の解像度を説明する際に使用されている「ドット」の中には、ピクセルを指しているケースもあるようです。

ドット抜けに設けられている基準について

ドット抜けは、パネルの断線やカラーフィルターの不具合などが原因で発生すると考えられており、液晶ディスプレイの製造過程でも避けることができません。
そのため、ドット抜けが発生した場合、液晶ディスプレイの特性によるもので”故障ではない”として扱われ、メーカーでも保証外となるケースが多いのです。
しかし、全体の何パーセントがドット抜けを起こしていると故障品にあたるのか、どこまでが保証外となるのか、ユーザーには分かりません。

そのため、液晶ディスプレイのドット抜けの表記については、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)が定量的な表記例として、以下のようなガイドラインを設けています。

▼パソコン用液晶ディスプレイのドット抜けに関する定量的表記ガイドライン

表記例1.

全体的な表示可能なドット数を表現する。

①「有効ドット数の割合は XX.XXXXXX%以上です」
②「ドット抜けの割合は X.XXXXXX%以下です」
※①②どちらをを記述しても可
※対応するディスプレイの表示しうる全ドット数のうち、パソコンメーカーとして保証する割合を示しています。

表記例2.

ドット抜けに対する品質の保証を表現する。

「ドット抜けは、XX個以下です」
※液晶ディスプレイの表示能力ごとに表記することも可

表記例3.

連続あるいは近接するドット抜けに対する品質の保証を表現する。
(「表記例1」あるいは「表記例2」との併記を推奨)

①「ドット抜けは X㎠内に Y 個以下です」
②「隣接するドット抜け間の距離は X ㎝以上です」
※①②どちらをを記述しても可

※「表記例1」あるいは「表記例2」については、どちらか一方または両方を記述しても可とする。

尚、「ドット」についての技術面での誤解を避けるために、定量的な表現の後に、下記のような【注】を入れることが望ましい。

【注】 本文では、一般的な言い方として「画素」を「ドット」という言葉で表現しておりますが、本内容をISO13406-2に従い、正確に表現すると、「画素」は「ピクセル(pixel)」、「ドット」は「副画素」とも呼ばれ「サブピクセル(subpixels)」となります。
つまり、「画素」は実体のある副画素と言われる発光する点から構成され、「副画素」は、画素に色または階調を与えるのもので、一つの画素内で個別に処理される分割された画素内部構造を示します。

引用:一般社団法人電子情報技術産業協会 パソコン用液晶ディスプレイのドット抜けに関する定量的表記ガイドライン

各パソコンメーカーは、上記のガイドラインに従ってドット抜けの割合を記載しています。
また、パソコンのカタログなどで使用される「ドット」は「画素(ピクセル)」のことを指しており、「1画素=1ドット」と数えられていますが、ドット抜けを計算する際はISOの基準(ISO13406-2)に従い、副画素(サブピクセル)を「1ドット」として計算しています。


引用:NEC ドット抜けについて

ドット抜けの割合の計算方法

ドット抜けの割合は、以下の計算式を使用して算出します。

ドット抜けの割合=ドット抜けの個数/(解像度×3)

※解像度に「3」をかけるのは、ドット抜けを副画素で計算するためです。
※ドット抜けの個数の数え方は、以下の表を参照してください。

解像度が「1280×1024」の液晶ディスプレイでドット抜けが10個発生している場合、ドット抜けの割合は「0.00025%」となります。

▼ドット抜けの個数の数え方

引用:NEC LAVIE公式サイト

例として、”解像度「1920×1080」・ドット抜けの割合「0.00013%」”とカタログなどに記載されている場合、8個までのドット抜けは製品の仕様ということになります。
とはいえ、いくら仕様範囲内であっても、ドット抜けの箇所や状態によっては保証してくれる場合もあるため、気になる場合はメーカーに問い合わせてみましょう。

ドット抜けの交換保証には注意!

パソコン販売店によっては、店舗独自のドット抜け交換保証を販売している場合もあります。
ドット抜けが発生した場合に役立つ保証のように思えますが、実はリスクがあることを理解したうえで加入しなくてはなりません。

パソコンの液晶ディスプレイにドット抜けがあれば販売店の保証で交換してくれますが、交換後の液晶ディスプレイのドット抜けまでは保証されていないため、注意が必要です。
保証を使用しての交換は1度だけとなっており、もしも交換した液晶ディスプレイのほうが以前よりドット抜けがひどい場合、それ以上交換してもらうことはできません。

安心のための保証ですが、どのような内容かしっかり把握したうえで加入するようにしましょう。

パソコンディスプレイにドット抜けが発生する原因

ドット抜けが発生する主な原因として、以下のような点が考えられます。

  • 初期不良によるもの
  • 経年劣化によるもの
  • 電源やケーブルの不具合
  • 内部の接触不良や断線
  • 外部からの衝撃

初期不良によるもの

購入直後にドット抜けが発生した場合、製造過程で問題が起きていたと考えられます。
液晶は精密機器であるため、製造過程で微細なゴミや埃が混入するだけでドット抜けが発生する可能性があります。
どれほど水準の高いクリーンルームで製造したとしても、大量生産の液晶ディスプレイに異物が混入することを完全に防ぎきることは難しいです。
事前に検品を行い、ドット抜けの製品を排除して出荷するとコストがかかりすぎてしまうため、各メーカーとも一定基準内のドット抜けは容認して出荷しているようです。

経年劣化によるもの

パソコンを長期間使用することで、経年劣化により液晶ディスプレイのドット抜けが発生することがあります。
室内でパソコンを使用している場合、空調や湿気などにより、継続的に液晶ディスプレイに負荷がかかることが原因です。

電源やケーブルの不具合

ドット抜けは、液晶ディスプレイの状態だけが原因で発生するとは限りません。
パソコンと繋がっているケーブルや電源の接続状態などがトラブルを起こし、ドット抜けを発生していることも考えられます。
突然画面にドット抜けが発生した場合は、ケーブルや電源の接触不良や断線を疑ってみましょう。

内部の接触不良や断線

液晶ディスプレイ内部の配線にトラブルが発生すると、ドット抜けが発生する場合があります。
液晶ディスプレイはドットひとつひとつが豆電球のようなものであり、この豆電球を連続して配置しているようなものです。
豆電球に対する配線が接触不良を起こしていたり、断線が発生している場合、ドット抜けが発生するようです。

外部からの衝撃

ドット抜けが発生する原因として多いのが、外部からの圧力です。
ノートパソコンの場合、持ち運んでいる際にぶつけたり落としたりと、外部から衝撃を与えることでドット抜けが発生することがあります。

液晶ディスプレイは圧や衝撃に弱いため、満員電車で移動する際は専用ケースに入れる、上に物を置かないなどの注意が必要です。

ドット抜けが発生した場合の対処法

ドット抜けを解消するには、パソコンの修理か液晶パネルの交換が確実です。
しかしながら、すぐにでも解消したいという人もいるでしょう。
確実な対処法ではありませんが、ネットで広まっている対処法をまとめてみましたので、すぐに解消したいと思う人は試してみてください。

  • ケーブルの接続を確認する
  • 液晶に刺激を与える
  • ドット抜け周辺を押す

ケーブルの接続を確認する

電源の接続状態に問題が発生していたり、パソコン本体と液晶ディスプレイを繋ぐケーブルに問題がある場合、広範囲にドット抜けの現象が見られる場合があります。

まずは、電源ケーブルやパソコンと液晶ディスプレイを接続しているケーブルに不具合が発生していないか確認し、接続しなおしてみましょう。
ケーブルが断線を起こしていたり、ひねりやねじれなどが生じて接触不良を起こしている場合は、ケーブルを交換することで問題が改善されることもあります。

液晶に刺激を与える

接触不良が原因でドット抜けが発生した場合、活発に表示を変化させる信号を送ると、接触不良を起こしているドットに刺激を与え、ドット抜けを解消できる場合があります。
RGBカラーを点滅させたGIF画像などを用意し、点滅を繰り返す信号をドット抜け部分に表示させることで活性化し、正常な表示に戻る可能性があるようです。
ただし、断線が原因でドット抜けが発生している場合は、効果がありません。

ドット抜け周辺を押す

ドット抜けが発生している周辺部分に指で力を加えると、周囲の色に変化が表れ、ドット抜けが解消されることもあるようです。
接触不良によるドット抜けの場合、周辺を押すことで接触が回復する可能性があるとされていますが、明確な根拠はありません。
一時的に効果を発揮する場合もあれば、さらなるドット抜けを発生する原因につながることもあるため、あまり強くおすすめできる方法ではありません。

まとめ

パソコンの液晶ディスプレイのドット抜けの対処法について紹介しましたが、ドット抜けがひどい場合、液晶パネルの交換が必要になります。
個人で対応できる対処法には限界があるため、保証期間内であれば購入店やメーカーに依頼、保証期間を過ぎていた場合はパソコン修理業者に相談してみてください。
メーカー修理は時間もかかり、何よりも費用が高額になるケースが多いため、メーカーより安価に対応してくれるパソコン修理業者がおすすめです。

ドクター・ホームネットではパソコンの液晶トラブルに対応しており、メーカーや年式問わず修理を行っています。
パソコンでドット抜けが発生して解決できない場合は、一度ドクター・ホームネットに相談してみてはいかがでしょう。

【ドクター・ホームネット編】料金や口コミは?気になるパソコン修理業者を徹底調査!

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ABOUT US

パソコン博士。株式会社ケイ・ブリッジ パソコン修理担当。5歳の時に買い与えられたファミコンに興味を持ち、小学校では分解・組み立てて遊んでいた。中学校ではコンピューター部にも所属し、自分でテレビゲームを作ることに成功。大学では情報系学部に所属、研究室グループで開発された分析ソフトは経産相(当時通産省)での利用が決定。Googleが主催するビジネスコンテストの世界大会出場、大阪経済戦略局のIotプログラム選出、組み込み系デバイスの開発チーム参加、企業向けのパソコン講座講師を務めている。