パソコンを構成する各パーツの土台となるマザーボードですが、デスクトップパソコンでは基盤が確認できることもあり「自分で修理できないか?」と思われる方も少なくありません。
今回はマザーボード修理について、知っておかなければならない注意点と自分で修理する際の方法について解説します。
目次
【結論】マザーボードを自分で修理・DIYすることは難しい
まず結論から言うと、マザーボードを自分で修理することは非常に難しいです。
理由としては、主に以下の3つがあげられます。
深い知識や技術がなくとも対処できる可能性があるマザーボード異常の対処方法については、後ほど「自分で対処できるマザーボードの異常」で解説します。
マザーボード故障は原因の判断が難しい
1つ目の理由として、マザーボードの故障は症状から原因を特定することが難しい点があげられます。
マザーボードが故障した際はさまざまな症状が発生しますが、それらの症状に対して原因も多岐にわたるためです。
▼マザーボード故障の症状と原因の例
マザーボード故障かと思っていたら、電源やグラフィックボードなどほかのパーツが原因となっている場合もあります。
マザーボードの異常は直接パソコンを分解して確認するほかなく、確実に原因を特定するためには専門知識を伴った”プロの目”が必要です。
マザーボード修理には専門技術・道具が必要
2つ目の理由としては、マザーボード修理には専門の技術や道具が必要な点があげられます。
グラフィックボードやメモリの交換と異なり、マザーボードのコンデンサやチップを交換するためにははんだ付けが必要です。
またはんだ付けのためには当然はんだごてなどが必要となるほか、電流や電圧を測るためにはテスターと呼ばれる計測器も必要です。
マザーボード修理に失敗した際のリスクが大きい
3つ目の理由としては、マザーボードの修理に失敗した際のリスクが大きい点があげられます。
これまでお話した通り、マザーボード故障は原因の特定が難しく、また修理の際ははんだ付けなどが必要です。
誤った対処をおこなってしまうと修理できないだけでなく、データ消失など更なるトラブルを招いてしまうリスクもあります。
最悪の場合、パソコンを丸ごと買い替えなければならなくなることも考えられます。
自分で修理できるマザーボードの異常
基本的に自分で対処することは難しいマザーボード修理ですが、マザーボードの修復を全く自分でおこなえないというわけではありません。
はんだ付けを伴う修理などは難しいですが、以下のような対処であれば自分でもおこなえる可能性があります。
ボタン電池の交換
マザーボードにはボタン電池が搭載されており、ボタン電池が切れてしまうと以下のような症状が現れます。
- パソコンの時計が正常に機能しない
- OSが起動できない
- BIOS/UEFIがフリーズする
- ビープ音が鳴る
マザーボードのボタン電池切れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
マザーボードのボタン電池を交換する方法
マザーボードのボタン電池は、以下の方法で交換できます。
通電による破損や感電のリスクを避けるため、電源を切って電源ケーブルを抜きます。
パソコン本体のケースを取り外してマザーボードを確認します。
静電気による破損を防ぐため、事前にほかの金属に触るなどして静電気対策をおこないましょう。
ボタン電池の場所と型番を確認して交換します。
一般的には「CR2032」という型のボタン電池が使用されています。
CMOSクリア
マザーボードにはCMOSと呼ばれる、BIOS情報を保存するためのメモリが搭載されています。
CMOSクリアとはBIOSの情報を初期化することで、以下のような場合に有効です。
CMOSクリアの方法
CMOSクリアには「自然放電させる」方法と「CMOSクリア端末をショートさせる」方法がありますが、「自然放電させる」方法が簡単・安全でおすすめです。
自然放電の方法は非常に簡単で、マザーボードの電池を取り外した状態で15分~1時間程度放置しておくだけです。
CMOSクリアが成功すると、起動時にBIOS/UEFIの再設定画面が表示されます。
マザーボードの交換
マザーボードが故障してしまった際は、思い切ってマザーボードを交換することも選択肢の1つです。
パソコンの構成や規格に合った最適なマザーボードを選ぶことは簡単ではありませんが、コンデンサのはんだ付けやマザーボードの洗浄ほど難しくはありません。
マザーボードを新しいものに換えるとパソコン全体の寿命が延びることにもつながるため、自分で交換するにせよ業者に依頼するにせよ選択肢の1つとして検討しましょう。
マザーボード交換については、以下の記事で詳しく解説しています。
マザーボードを交換する方法
マザーボードは、以下の方法で交換できます。
通電による破損や感電のリスクを避けるため、電源を切って電源ケーブルを抜きます。
USBなどすべてのケーブル類を外し、パソコン本体のケースを取り外します。
ケースを取り外した後は、グラフィックボードなどケースに固定されているパーツも一緒に取り外します。
マザーボードを固定しているネジを取り外し、ケースからマザーボードを取り外します。
パソコン背面にあるI/Oパネルは、マザーボードごとに規格が異なるため一緒に交換する必要があります。
またホコリの混入などを防ぐI/Oシールドも同様に、交換する必要があります。
マザーボードに取り付けてあるCPUやメモリなどの各パーツを取り外します。
⑤で取り外したパーツや新たに導入するパーツを、新しいマザーボードに取り付けます。
I/Oパネル(I/Oシールド)と一緒に新しいマザーボードを取り付けます。
②で取り外したパーツやパソコン本体のケースを、再び取り付けます。
パソコンの電源を入れて動作を確認します。
マザーボード修理はパソコン修理業者への依頼がおすすめ
これまでのお話を踏まえて、マザーボード修理はパソコン修理業者への依頼がおすすめです。
マザーボード修理を自分でおこなうことは難しく、対応できる箇所もボタン電池交換やCMOSクリアなど非常に限定的だからです。
故障の原因がマザーボード以外にあった場合でも、修理業者に依頼していればシームレスに解決できます。
マザーボード修理費用の相場は?
マザーボード修理(交換)を依頼した場合の相場は、メーカーとパソコン修理業者とで以下のように異なります。
- メーカーの場合 … 50,000~60,000円程度
- パソコン修理業者の場合 … 作業料金10,000~20,000円 + パーツ代+基本料金等
交換するマザーボードにかかる料金にもよりますが、パソコン修理業者に依頼した場合の合計額は30,000円~程度となります。
マザーボード修理が安いおすすめのパソコン修理業者は?
マザーボード修理におすすめのパソコン修理業者は、業界大手のPCホスピタルです。
確かな技術力と豊富な実績に定評のあるパソコン修理業者ですが、マザーボード交換も16,500円の作業料金でおこなっています。
- データを消さずに修理する技術力
- 最短即日・年中無休の対応力
- ユーザーからの口コミや評判が多い安心感
- 有料訪問サポート利用率No,1、年間14万件の豊富な実績
24時間いつでもウェブ受付をおこなっているため、マザーボード故障でお困りの方は一度相談してみましょう。
マザーボードの修理は自分でできる?まとめ
今回はマザーボード修理について、知っておかなければならない注意点と自分で修理する際の方法について解説しました。
マザーボードは自分で対処できる箇所もありますが、基本的には自力での修理が難しいパーツです。
誤った対処によってほかのパーツを壊してしまったりデータを破損させてしまったりといったリスクを避けるためにも、パソコン修理業者などのプロに相談・依頼することをおすすめします。
パソコン博士の知恵袋はパソコン修理業者大手(上場企業)の PCホスピタル(累計サポート実績200万件以上 ※1、利用率No.1 ※2)をおすすめしています。 電話対応も丁寧で、お住まいの地域(全国対応)に応じたパソコン修理サービスを提案してくれます。
PCホスピタルは大切なデータを保護(復元も可能)した上でパソコン修理をおこなってくれます。「再起動を繰り返す」、「シャットダウンできない」、「電源が入らない」などのPCトラブルもすぐに行ってくれます。PCホスピタルは東京や大阪、名古屋、福岡など大都市以外の地方都市にも店舗があり、即日対応可能です
※1 2023年8月末時点 日本PCサービス株式会社調べ
※2 2021年11月時点 2万6303人調査 調査主体:日本PCサービス株式会社 調査実施機関:株式会社インテージ
「マザーボード修理は自分でできる?」今回はその疑問にお答えします。