マザーボードの故障を放置してしまうとマザーボードに接続されているほかのパーツにまで悪影響をおよぼしかねないため、症状があらわれた際は速やかに対処することが重要です。
今回はマザーボードの故障について、症状や原因から修理費用や予防策まで解説します。
目次
マザーボードが故障した時の症状
マザーボードはパソコン内部の各パーツの基盤となる重要なパーツであるため、故障した際の症状も顕著にあらわれます。
具体的には、以下のような症状があらわれるでしょう。
通電しない・電源が入らない
マザーボードが故障した際の症状のうち、パソコンに通電されない、電源が入らないといった症状が代表的です。
全く反応がない場合のほかに、LEDランプが反応するものの画面が立ち上がってこない、再起動を繰り返す、起動してもすぐに電源が落ちてしまう場合もマザーボードが故障している可能性があります。
マザーボードの反応がなく全く通電されない場合は電源ユニットが故障している可能性もありますが、上記のような症状が出ている場合はマザーボード故障を疑ってみましょう。
BIOSが起動しない
起動しないケースのもう1つのパターンとして、電源自体は入るもののBIOSが起動しない、ビープ音が鳴って画面が進まないといった症状があげられます。
BIOSとはハードウェアの管理や制御を主な役割とするシステムで、マザーボードのメモリに組み込まれています。
マザーボードが故障してしまうとBIOSも起動しなくなり、搭載している各ハードウェアも起動しません。
ビープ音が鳴る
ビープ音とはパソコンに異常がある場合に発せられる「ピーピー」や「ピピッ」といった機械音のことですが、マザーボードが故障した際にはビープ音が繰り返し鳴ります。
ビープ音が繰り返されて画面が進まない場合は、マザーボードの故障を疑いましょう。
ビープ音は基本的に音のパターンによって異常の種類が分かるようになっています。
メーカーによってそれぞれのパターンが示す内容は異なるため、ビープ音が繰り返し鳴る場合はメーカーホームページを確認してみると良いでしょう。
フリーズする・突然電源が落ちる
マザーボードが故障した際の症状としては、パソコンの起動自体は正常であっても使用中にフリーズする、突然電源が落ちるといったケースも考えられます。
突発的なものであれば一時的な不良や別の故障も考えられますが、頻度が多い場合はマザーボードの故障を疑いましょう。
マザーボードが故障する原因
マザーボードが故障する原因としては、以下の2点があげられます。
- コンデンサの寿命
- 物理的な破損・腐食
コンデンサの寿命
マザーボード故障の原因として最も考えられるケースが、コンデンサの寿命によるものです。
コンデンサとは一時的な蓄電によって電源環境を安定化させる役割をもつパーツで、パソコンをはじめ携帯電話や家電製品などあらゆる電子機器に搭載されています。
重要な役割をもつコンデンサですが、その寿命は5年程度であり交換も簡単に行えないことからコンデンサの寿命がマザーボードの寿命ともいわれています。
パソコンを5年以上など長期使用している状態で電源がつかなかったり頻繁に落ちてしまったりする症状に直面した場合は、コンデンサの寿命によるマザーボードの故障が考えられます。
物理的な破損・腐食
マザーボードが故障する原因としては、コンデンサの寿命以外に物理的な破損や腐食に起因するものが考えられます。
マザーボードの物理的な破損や腐食は、以下のような要因によって引き起こされます。
特にノートパソコンの場合は、食べ物や飲み物をこぼしてしまってそのままマザーボードまで入り込んでしまうということが考えられます。
またマザーボードをはじめパソコンパーツは基本的に熱に弱いため、上手く排熱ができておらずパソコン内部の温度が極端に高い場合も物理的な破損につながる可能性があります。
ただし反対に温度が低すぎてもコンデンサやチップなどに悪影響となるため、パソコン内部の温度は一定に保つことが重要です。
マザーボード故障に関するよくある疑問
最後にマザーボード故障に関するよくある疑問について、以下3点についてチェックしておきましょう。
マザーボード故障の修理・交換費用は?
マザーボードが故障した際にかかる修理費用は6,000円程度、交換費用は12,000円程度です。
ただしこれらはあくまでマザーボード修理や交換にかかる作業料金であり、さらにパーツ代が別途必要な点には注意が必要です。
またマザーボードの修理や交換に伴って内部データのバックアップや復旧、内部清掃などをおこなう場合は、さらにそれぞれの作業料金が必要です。
当然のことながら、これらはあくまで参考値であり修理業者や故障状況などによって費用は異なります。
マザーボードが壊れやすくなる環境は?
マザーボードが故障しやすくなる環境としては、以下のような環境があげられます。
- パソコン内外にホコリが多い
- 極端に高温・低温
パソコンがこのような状況に置かれている場合、さきほど「マザーボードが故障する原因」でお話したような原因を引き起こす可能性があります。
パソコン内部にホコリが溜まらないように定期的な清掃をおこなうほか、パソコンを使用する際の室内温度は10~35℃となるようにすると良いでしょう。
定期的なパソコンの清掃はとくに有効な手段であり、異物を排除するほかにパソコン内部の温度上昇を抑える働きもあります。
マザーボードが故障していてもデータ取り出しは可能?
マザーボードが故障していても、ハードディスクやSSDが無事であれば基本的にデータの取り出しは可能です。
マザーボード故障に起因してハードディスクやSSDが故障してしまっている場合であっても、壊滅的な故障でなければデータ復旧ができる可能性があります。
ただし小型のノートパソコンやタブレットの場合、SSDなどが直接マザーボードにはんだ付けされている場合があります。
この場合はデータ取り出しや復旧ができなかったり、通常の場合と比べて費用がかかったりする可能性がある点は認識しておきましょう。
まとめ
マザーボードはパソコンの基盤となる重要なパーツのため故障してしまうと起動しなくなるなど深刻な症状へと繋がりますが、症状が顕著である分異常に気付きやすいともいえます。
早期に原因を突き止めて対応できれば被害を抑えることができ、また使用環境に十分配慮することで故障を避けて長くマザーボードを使用できます。
ただし自己判断でマザーボードの修理をおこなおうとすると事態をより悪化させてしまう恐れもあるため、修理の際はパソコン修理業者に依頼しましょう。
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※1 2023年8月末時点 日本PCサービス株式会社調べ
※2 2021年11月時点 2万6303人調査 調査主体:日本PCサービス株式会社 調査実施機関:株式会社インテージ
マザーボードが故障してしまうと起動自体ができなくなるといった深刻な症状に直面しますが、マザーボード故障にはさまざまな原因が考えられます。